12.07.2011

12月3日 ネリカ刈り


前日に引き続き in ソロティ。
午前中はお客があまりいない(と思われる)ので、許可をもらって別行動。

ソロティのネリカ米隊員の任地と活動をちらっと見せてもらいに行く。

同期のR君(村落開発普及隊員)はネリカ米という「画期的(だそうだ)な」種類の米作りを普及する活動をしており、本日は指導している農家さんのうち1件が刈り取りだという。
そこへもう一人の稲作隊員と一緒におじゃまして手伝うことに。
農家さん一家。
絵にかいたようなウガンダ農民。家も伝都的な土壁に藁葺き屋根のBanda

コメを作っている場所は、湿地のまわり。
ソロティは周辺を湿地に囲まれている。
ラムサール条約にも2か所登録されている。
だから一応
「湿地から一定距離内は開墾しちゃいかん」
という決まりがある。

そんなボーダーぎりぎりに隣接した田んぼ。
黄金色の稲穂が見える。
大体の農家さんは小規模で、農薬も今のところ使っていないので、
下手に宅地にされたり土砂掘りされてしまったりするより、
バッファーゾーンの周りを田んぼにでもしてもらっといたほうが、
湿地のままキープされるで保全的にも有効ではないかと個人的には思う。

ま、それは置いといて。

この農家さんはネリカは今回初めてだが、他の品種は既に作っている人なので、既にこの人なりの稲作ノウハウを持っている。
今回はこの人のやり方にならって穂刈り(茶色くなった穂だけを選んで刈る)で収穫。

日本ではクリスマスどうやって祝うんだ~とか、たわいもない話をしながら作業を進める。

楽しい。

でも、

穂刈りってめんどくさい。

根からざっくざっく一気に刈りたい。

・・・というのが日本人3の言い分ではある。

日本では除草や刈り採りなどの作業効率を考えて、田んぼに列にならべて稲を植える。
R君はそういった点の指導もしているようだが、
ウガンダ人に列状に植えさせると
Too much work!
と言われるらしい。

農業に限らずそもそも「後が楽な(効率よい)ように段どる」という発想がこの国にはない。


・・・でも穂刈りも結果的にToo much workだと思うけどそれはいいのか?

穂刈り前提なら列に植える必要はないものの、
何せ「弥生時代ベース」の方法なので作業は遅いし、刈り残しを後でちゃんと収穫しないと収量も落ちる。
でも根元から一気に全部刈っちゃう場合は、
作業が1回で終わるし早いし楽だけれども、稲の大部分がきちんと熟するまで待つ必要がある。

「待っているうちに雹が降って全滅したらゼロになるじゃないか!
だったら実った分から取って23度収穫したほうが損がない」
というのが農家さんの弁。

・・・
ま~、どちらも一長一短ということで。
こんな感じで
一緒に作業したり話したりしながら伝えたもののなかで、
彼らが「いい」と思ったものだけが残っていくのだろう。


でも、ひとつだけ疑問が。


めんどくさがりのウガンダ人が本当に何度も穂刈りに足を運ぶのか?



賭けろと言われたら「しない」に1000シル。
でもこの農家さん真面目だからしそうだな~


田んぼ1枚で、ネリカ米が大きな資料袋に半分くらいとれた。
R君曰く、ソロティは土地がやせているので他地域に比べ収量がイマイチらしい。
でも農家さんの満足そうな笑顔を見ると、悪くない量が採れたようだ。

「これは売らないでクリスマスに家族で食べてみる。残りは次の種もみにする」

最初の収穫はお金に換算はされなかったが、
彼らのクリスマスと次シーズンの楽しみをちょっと増やす結果となったみたいだ。

作業後、奥さんがお昼を用意してくれたのでごちそうになる。
この地方のメインの主食:カロ(中央)
ちぎってスープにつけてもちもちと食べる。
素朴な味がしておいしい。