1.22.2012

1月21日 サー クロコダイル

平穏な週末の朝を打ち破りしもの。


はるばるクイーンエリザベスNPから巨大ワニ到着。

長旅仕様でしっかり保定されている
(暴れたりしたらワニも傷つくし第一人間が危ない・・・)

でも

トラックの座席後ろのガラス割れているし。
しっぽははみ出しているし。
体長4.1m、推定体重は750kg

眼光にも隙がない。
(うちのワニたちの目はこれに比べると確かに野性の光に乏しい・・・)

クイーンエリザベスNPの中には人が住んでいて、湖では普通に魚とったり子供が泳いだりしている。
だからワニに人が襲われるという事故が起きる。
ヒグマなんかと同じくワニにもしばしばそういったトラブルを起こす暴君=「問題個体」がいるようで、これもその1頭。
そういう個体は「保護」して、人が住んでいない保護区かNPの湖に放す予定とのこと。

あ、ずっとうちで飼うわけじゃないのね。ちょっと安心。

時々うちのZooに出入りしている白人ピーター。
風貌は若干怪しいけれど彼は爬虫類のハンドリングの専門家なので、レンジャーと一緒にワニの保護に行ったり、キーパーのトレーニングやらをやっている。
彼の指揮で車からサークロコダイルの移動作業、開始。


重いので男手、かなりいります。
まずはちょっと荒っぽいけどコレは引っぱっておろすしか手はないだろう。



数人で乗っかって体重をかけ完全に抑え込んだうえで、
保定ロープを減らす。

さらに引っ張ってケージへ収容。
もう1回おさえて、保定を極限まで外し、ケージ外へ退避。
最後はケージ外から遠隔操作でロープとタオルを外して終了。

・・・なんとか収まる。
全て保定もはずれ、成功。

周囲で興奮に湧く人間たちと対照的に、不気味に落ち着きはらっているサー。
怖い。

現地には、実はもう1頭問題個体がいるそうで。
それも今後捕獲予定とのこと。
 
・・・
またやるの?この作業・・・。

1月20日 アフリカの黄色い呪術師

先週から、技術交流で日本の動物園から3人の専門家(獣医2名と教育担当1名)が来て
今日はその中で作ったビジター向けのガイド?プログラムの実施日。
実施者はボランティアを含むこちらの教育スタッフを中心に総勢40名ほどか。

内容は、ビジターに対し、ウガンダで実際起きている問題を劇で説明する、というもの。
雛形はアイザックらが日本に行ったとき日本の動物園で一緒に作ってあり、それは園内をガイドしながらのプログラムだったのだけれど、こっちで実施しようとボランティアと話すうちにずいぶん形がかわったらしい。


コスチューム着てのりのりのボランティアたち。
楽しそう。
私ら日本人もなにがしかの役で参加。
私は旅行者役なのでたいして仮装せず。


で、その劇のストーリ:

国立公園の近くの村。
政治家が「動物とる許可やるから俺に一票を」とか言う。

喜び勇んで動物を「密猟」に行く住民。
呪術師も密猟をそそのかす。


薪を拾っていた別の住民が、通りがかった旅行者とともにレンジャーに通報。


密猟者はレンジャーに逮捕され、裁判に。
密猟者と呪術師は有罪になり、刑務所行き。

住民を教育しないとってことになって、ワークショップ開催。
意見交換して、野生動物を保護したほうがいいねってことになって、終了。



いや、長いって。客あきるって。

しかもセリフは全部アドリブなので、
実施したら40分以上かかった。

しかも、同時進行でいろんな場所でいろんな場面が展開。
ガイドプログラムっていうより完全にロールプレー。
対象のビジターのことは全く考えていない。
とはいえ、自由自在に行動したがるウガンダ人をここまでまとめ何かを一緒にやらせるのはとても大変なことだ。
大成功だろう。

さて今回、最高の名演技を見せたのは、日本から来ていた獣医師K氏。
彼の役どころはアフリカの「呪術師」

ローカル呪術師と一緒に「逮捕」され
法廷に引き出されてなんで野生動物を捕らせたのか問い詰められ、言い訳をするという役どころ。

無茶振りされてアドリブ、曰く、

「日本に帰るチケットをなくしたから仕方なく呪術師になってお金を稼いでいた。日本に帰して~!」

ウガンダ人、大うけ。
オスカーものでした

1.05.2012

1月3日 スタンプ

新年早々、ドクターが「診察」をやると言い出す。

本日の患者さんはチンパンジー。
大物だ。
大変に危険なので、麻酔をして眠らせてから診察する。

このチャンスを待っていた!

かれこれ半年は待っていただろうか。
待ちすぎてそろそろ忘れそうになっていたほどだ。



緊張の治療の隙間をぬって


わたくしちょっと失礼しまして

チンパンジーの手に絵具をぬりぬりし、

やおら紙をおしつけ

型をとる。

あ~、もちろん教材にしようかと思って、です。
遊んでいるわけじゃあありませんよう。

チンパンジーの足の裏。
人間の手みたいに足の指が長い。
意外にやわらかい。
この足で器用に木にのぼったり枝をわたったりするんだと思うと、納得。

立体なので、絵の具でなかなかきれいに型をとるのは難しい。

 細部や立体的な質感もとれるので、石膏の型もとりたいところ。
(頼んではいるんだけどね・・・いつになるやら。)


麻酔を最小限に抑えているデリケートな治療の現場で、
こういう作業を許してもらえるのは本当にありがたい。
有用性を十分理解してくれているからだろう。

というか、
 最後にはドクターが率先して採っていた。
 なんか、楽しそう・・・。

これから「健康診断」も予定されているので、型集めの絶好のチャンスだ。
素材は採れるときに集めておこう。

(集めるだけで使わない・・・ってことにならないようにするのが一番大事だけどね)