2.08.2012

2月2日 湿原模型と生きた教材


今年もこの日がやってきた。

22日は「世界湿地の日」

関係者以外全くしらないであろう超マイナー記念日。
でも湿地大国ウガンダは毎年記念イベントをやる。

今年はタンザニア国境近くのラカイという町で開催。
オープニングは地元の子供たちが道路をパレード。


今年は「説明するMaterialがない~!」という悩み解消。
新しいプリンターが導入されたので、フルに活用して説明用のポスターを作成して参加する。

箱型になっているブースを2つ借りられたので、1個をポスターブースに、もう1個をプロモーションデスクと連れてきた動物を置くスペースにする。

この1年の教訓。

ウガンダ人に任せると読む人のことを考えず配置する。

先手必勝。さっさと動いて設置する。



しかし

ウガンダ人は良くも悪くも自分のしたいように変えてしまう習性がある。



後から、案の定
「プロモーショングッズが横断幕で隠れて見えないからこっちに移す!」
と言って有無をいわさず机を隣から移動。
これでポスターブースの入り口を半分がふさがれる。

で、そうなると人が常駐するのがポスター側になるので、
「動物も近くに置かないと管理できない」
という話になりコンテナ類移動。
さらにもう半分の動線が動物の入ったケースに塞がれる。

結果、全てを小さい1つのブーススペースに詰め込まれる。
スタッフは上機嫌だけど
これで中まで入ってポスターを読んでもらうのはほぼ不可能。

何の為に作ったんだっけなあ・・・
入口の横断幕をずらすか外せばいいだけの話だったような気もするが、もう仕方ない。
写真を見てもらえるだけでよしとしよう。


さて、色々な団体が色々なブースを出している中、わたくしの目を奪ったものがこちら。
お隣の団体のブースにあった湿原の模型。

ちゃんと水を注げるようになっていて、向かって左が湿原モデル、右が埋め立て地モデル。

泥水を注ぐと湿原モデル側は泥も取り除くし一気に出ないでぽたぽた出てくる。
湿原のろ過機能と保水機能。

一方ゴミだらけの埋め立て地モデルのほうは、泥水がそのまんま一気に流れ出て保水もろ過もされない。
かなり良くできている。すごい。

以前、湿原の役割を説明するためにハリボテ模型「湿原1号(仮称)」を作ったことがある。
けっこう苦労した記憶がある。
だからこれがどんなにクオリティが高いかよくわかる。
「湿原2号」を作る機会があったら今度はこれを真似しよう。

こういう教材を作れる人は、伝えたいことが明確なんだと思う。

地元の学校も来ていたので、湿原模型を使った説明は子供らをとても引き付けていた。
各ブースとも、学校に貼るポスタ型などの教材を結構配っていた。

うちのMaterial(=教材)といえばプロモーション重視のモノが多くて、子供向けの教育用教材は正直ちょっと弱い。

でも我々には「生きた教材」を連れてきている強みがある。

今回はおなじみヘビ(ロックパイソン)とヒョウモンリクガメ。



の、はずが。



カメは運搬ケース(野菜コンテナ)に入れたままブース正面にほぼ置きっぱなし。

パイソンを不透明なケースからひっぱり出してのスネークショーは1回だけ。

しかもそれは管轄省庁の大臣がブース見に来た時だけで子供は眼中になし。

こんなに子供いるのに見せないの?説明しないの?

そもそも、スタッフがあまりブースに居ない。
大臣訪問が終わったら完全にリラックスモード。

ブースで「カメ番」しながら私が説明してみるも現地語しかわからない子もいるから限界がある。

で、カメ見たさに子供らが押し合ってぎゅうぎゅうになっているところにスタッフが戻ってきて、
子供を追い払って私とカメを救出。

いや、そうじゃなくてさ。

説明(ブース番を)変わってほしいんだけど・・・。

どうやら皆

混んでるからブースにいたくない

というのが本音らしい。


何のために参加してんのかなあ・・・もう。


うちは 一応野生動物保全のための教育普及活動ってのがミッション(のはず)だ。
今回のイベント参加の目的が単純にプロモーションだったにせよ、
その機会を自ら逃しているようで非常にもったいない。

少なくとも今回に関しては、せっかく連れてきた「生きた」教材すら活かされていなかった。