8.16.2012

8月9日 病院見学

日本から出張でいらした「ウガンダ国担当」の職員さんが、うちを見た後、近所の病院配属の隊員のところへまわるというので、くっついて行ってついでに見学させてもらう。

医療機関に配属の隊員の多くは「5S活動の推進」に関わっている。
Sort, Set, Shine, Standardise, Sustainの5の頭文字をとって5S。
(・・・five esuなんて気取らず、素直に「ごえす」と読んでよし)

整理整頓清掃を自分たちで体系的に行う体制づくりと習慣づけをして、それを維持することで病院内の衛生環境や医療サービスの向上を図っていく、ということらしい。
隊員の活動+弊社プロジェクト(with 専門家)により推進されている。

行動や習慣を変えるよう働きかける活動と言うのは何事本当に大変だが、
日本人とちがって、
生まれてこのかた整理整頓という概念を見たことすらないウガンダ人に体系的にこれをさせていこうってんだからまあ大仕事だ。

各病棟にそれぞれ責任者を置いて5Sを実践しているので、あちこち回る。
病棟ごとに小さな建物に分かれているので、いちいち外出たり入ったり。
1800年代に建てられたふるーい病棟もある。
(古い方がコンクリートいっぱい使っているから丈夫だそうな)

ところで
入院病棟とか産婦人科なんかもふつーに案内されてますけど。
いーのか?
私らが説明受けている隣で
「ひーひーふー」と呼吸して分娩ベッド入りを待っている妊婦さんとかいてますし、
カーテンの向こうからは「今産んでます」という空気がもろに伝わってきておりますが。

なにやら遠目にも若めの男性の外来ばかりでにぎわっている病棟が。
この病院では
毎週「火曜日」と「木曜日」は「割礼*の日」だそうで。
昔は部族や村ごとに儀式に則って実施された割礼も、衛生面の問題やら社会の変化やらで今日では事情も変化してきており、医療機関は「病院での割礼」を推奨する立場をとっているらしい。
もちろん今も伝統的な儀式に則って割礼をする所もあるそうな。興味深い。
(さすがにこーゆうとこは覗きませんて。手術室だしね。一応。)

てな感じで病院内、いろりろな意味でウガンダ色満載。
で、おそらく
悪い方にウガンダっぽいままだと病院内のいたるところがカオスになってしまうのを何とかしようというのが5S活動。
本当に有意義な活動だと思うよ。うん。

ゴミ箱がゴミの種類ごとに色分けされている。
壁に貼ってある説明のラベルも同じ色。
ゴミ箱を置く位置も青いテープで「ゾーニング」。

どこに何を置くかきれいに整理された薬局の薬棚。
ちゃんと「在庫切れ」がわかるようにもしてある。

「誰が見てもどこになにがあるか、どこに何を置くべきかなどがわかる」
ラベルはりや色分けなど、日本じゃ当たり前にみえる工夫もここでは1から指導し、やって見せて、スタッフと一緒に考えていく。

ウガンダ人は本当に整理整頓の習慣がないので、自発的に彼らが動くところまで持っていくのは本当に大変なことだと思う。
ご苦労様

ところで、
よく見ると看護婦さんも制服やベルトの色で色分けされている。
ベルトはおしゃれ?かとも思ったが、
格闘技の黒帯白帯みたいに、役職やランクによって、服の色やベルトの色が違うそうだ。

もちろんこれは5Sによる指導効果


ではなくて、
もともとこうだとか。

上下関係のランクの色分けははじめからきっちりついている所がまた何ともウガンダらしいわ。



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*割礼=大人になる通過儀礼として性器の包皮の一部を切り取ること。