お隣のMupigi県の湿地を見に出張した。
朝もはよから出かけて、
どローカルな船着き場からどローカルな船で湿地を探索。
ハシビロコウを探したりなんぞする。
本日の成果
ハシビロコウを1羽だけ確認。
なんと、
上空を飛んできた。
アナタちゃんと飛べる鳥だったのね・・・。
(「動かない鳥」とは言われていても、「飛べない鳥」なんて誰も言ってないよな、そういえば)
地元の人の話では、少なくとも2個体はいるらしい。
ここと、これまでハシビロコウを見に出かけた湿地とは、
同じビクトリア湖上で、しかも位置関係上は「すぐ隣」なんだけど、今まで見たことなかった鳥も結構観察できた。
こちらの大きなガンもお初。
「うちにいるgooseより大きいなあ。これもうちで展示すべきだよなあ」
と一緒に行ったDavidは言うものの
うちにいるEgyptian Gooseどもは
勝手に入ってきて勝手に居座っているフリーダムなやつら
なので、捕まえて展示しているわけではない(ついでに勝手に繁殖もしている)。
ここはWildlife Education Centerとして、
こちらの大きな種類のガンにもまず自然に来ていただく方向でいくべきかと。
アジサシの群れも近くで観察。
ひとりがびっくりして飛ぶとみんな飛ぶ。
ごめんよ休んでたところ。
で、案内をしてくれた地元のリーダー的ムゼイ(じいちゃん)から、帰りしなに
「お前は名前は持っているのか?」
と、聞かれる。
ここで言う名前、とは
ルガンダ名=ルガンダ語のローカルネームのこと。
特に中央のブガンダ族は、その中でもいくつもの「クラン」(=小部族)に分かれている。
自分のクランの外の人でも、自分の仲間(友達や家族)と認めた人に名前を贈ったりする。
コミュニティベースの活動をしている弊社隊員の多くは、ルガンダ名をもらっている人が多い。
でもうちは政府機関なのでスタッフの出身地はまちまちなので、そんなにローカル色は出ない。
だから私も名前をもらっていない。
「じゃあわしが名前をやろう。
お前はNalukenge(ナルケンゲ)だ。クランはNgeだ。」
初対面なのに勝手にあっさり名づけられる。
クランのNgeは「Black and White Colobus」のことを指す。
白黒の毛のサル。
(参考:こんなサル↑)
各クランの名前は動物や植物の名前を頂いており、それぞれのクランは
自分のクランになっている動植物を大切にするきまり。
もちろん獲って食べたりはしない(できない)。
これは小部族間で資源の取り合いにならないようにする知恵だった、という解釈もある。
う~ん・・・サルより鳥が好きなんだけど。
ハシビロコウのクランとかないのかなあ。
でも鳥だと、
下手に食べる可能性のあるもの(ホロホロチョウとか)だったら罪悪感が生じそう。
サルで無難かも。
ちなみに
ハシビロコウは、ルガンダ語でBulwe。
北部で使われるテソ語ではKikududuclu。
今、野生動物のローカルネームを集める作業をしているのだが。
当たり前のことながらその動物の存在しない(あるいはレアな)地域では、その動物を表す単語が存在しない。
一方で多くの言語で、同じ呼び方をする動物もいる。
また、ある言語では似たような姿かたちの動物をひとからげに表しているのに、別の地域の言葉ではちゃんと個々の種を分けていたりもする。
ローカルネームから、それぞれの地域の自然のみかたやかかわりを想像できるのがおもしろい。
名前をくれたじいちゃん。
お魚はビクトリア湖名産の高級魚「ナイルパーチ」
(Davidがお土産にぶらさげて帰った)