12.14.2012

任国外:エチオピア② 教会編


エチオピア北部はエチオピア聖教の由緒ある教会が有名。
今回の旅のメインも教会巡り。

ゴンダールはダブラ・ブラハン・セラシエ教会の
教会の天井いっぱいに描かれた顔だけ天使。
微妙に視線が皆違う方向を見ているのは「神はあらゆる方向を見ておられる」ということらしい。
・・・守られているというよりも見張られているような気分になるのは自分に信仰がないせいだろうか。

この天使に限らず、エチオピアのフレスコ画に描かれている聖人は、肌が黒くて目がぱっちり、つまりアフリカ人の特徴を持っているのが面白い。


最大の目的地は、巨大な岩盤を彫りぬいた教会群で有名なラリベラ。
世界遺産。

には、


保護のため屋根がかけられている

仕方ないけど、ちと殺風景。


こちら、まだ屋根に覆われていない聖ゲルギオス教会。
上から見ると十字の形をしている。
青空の下、美しい。

ここも将来的には透明な屋根で展望地を含めて覆う構想があるらしい。
(やめとけば?といいたいところだけれど保護もせんといかんし・・・)


12世紀にラリベラ王が一大事業として建設したこの教会群は、信仰の場として今日も普通に使われている。
岩盤から直接彫りぬかれた高さ10m以上の柱が圧巻。
聖救世主教会。

ちょうど月に一度の「ゴールドクロス」を使った礼拝の日だったということもあり、特にたくさんの人が礼拝に訪れていた。
ゴールドクロスを手に礼拝を行う司祭たち。
(暗いのでゴールドっぷりがイマイチわかりにくい)

・・・ここのゴールドクロスは一度盗まれ、無事帰って(買い戻されて)来たらしい。
エチオピア教会のクロスはいわゆるシンプルな十字架ではなく、それぞれの教会でそれぞれのオリジナルデザインがあり興味深い。
(=つまり、もし盗まれてもどこかに行っても、もともとどこのものか見る人が見ればわかる)

教会に入る前に、人々は靴を脱ぎ、跪いて教会そのものに口づけをする。
我々を案内してくれているガイドも、まず入る前にそれをする。
強い信仰がしっかりと根付いているのを感じる。
ちょっとチベット仏教とか密教とかに通じるような厳粛な雰囲気がある。

ウガンダ人も敬虔なクリスチャンが多いけれど、祈りの途中で泣いたり、叫んだり、歌ったり、笑ったりと全身と全力で祈りを表す。
それとは違う、静かな祈り。


何にせよ、
12もの教会を(規模の大小やデザインの濃淡はあるにせよ)岩から彫りぬいた技術にはただただ驚嘆。

「この教会群は、何人ぐらいの大工がどれくらの年月をかけて作ったんだろう」

とガイドに質問したところ。

「人じゃない。天使が作った。」

「・・・ラリベラ王の事業だって言ったよね、さっき」
「そう。でも作ったのは天使」

言い切られる。

博物館には当時、設計の為に作ったと考えられている教会のミニチュア模型があった。
アレは天使との打ち合わせに使ったんだろうか。


今回の旅行で、建設の技術に驚嘆した場所がもうひとつある。
古代エチオピア時代の神殿である「イェハ遺跡」。
あとから十字架をぶちぬいてキリスト教の礼拝所としても使われるようになったこの神殿。
直角に切り出されたブロックが隙間なく垂直に積み上げられている。
紀元8世紀ごろの建築物だとは思えない精密さ。


・・・今は、どこ行っちゃったんだろう。
古代エチオピア人とか「天使」とかの技術。