旅行にでかける前から飼育課長オピオに
「飼育員に対してもサイフンぺーパー作りのワークショップをやってほしい」
とリクエストを受けていた。
ちょっと、きましたよ。
いい流れですよコレ。でも。
正直なところ、まあ忘れるか他の用事が入って流れる可能性が高いと話半分に聞いておいた。
でもエチオピアから帰ってきたら、ちゃんと忘れず日程を空けて待っていた。
嬉しかった。
ではこちらもしっかりご要望にお応えしましょう、ということで
最後の「Rhino Paper Workshop」を実施した。
Rhino paper makingについてはこちら参照
今回はパワーポイントで説明を作って説明のあと、各自1枚の紙を漉いてもらった。
やはりサイフン処理のプロセスには説明だけなんだけど関心が集まる。
こっちも進行慣れした、と言うのも大きいけれど、
普段から作業をこなしているせいか、教育セクションに教えたときよりも飼育員のほうが段取り、要領がいいし、熱心。
熱心さは、目的意識の高さのあらわれだと思う。
オピオやカヨンドは、このプログラムを7月のRhinoキャンプで実施した(こちら参照→)際に見ている。
それで自分でも実際、やりかたを覚えたいと思ってくれていたようだ。
すぐ要領を得てお互いの作業を補助しあう。
ここは日本以上に縦割りで、セクションで役割がきっちり分かれている。
飼育員を教育プログラムの実施にいかに巻き込むかっていうのが、長いこと懸案になっている。
協力してプログラムを実施することはあるけれど、大体はコミュニケーション不足で教育セクション側から一方的に通達する。
圧倒的に動物に関する知識のある飼育員側からすれば、正直面白くないことも多い様子。
不信感も根強い。
けれど、れまで関わった前任者、専門家の指導の積み重ねの中でも少しずつ変わりつつあるのも感じる。
この部分は何処かひとりの力ではなく、様々なアプローチの積み重ねの成果だと思っている。
そして、飼育員は教育プログラムに興味がないわけじゃない。
バックグラウンドの問題だけではなく、
積極的に関わりたいと思えるプログラムの選択肢が少なかっただけなのかもしれない。
そんな中で、サイフンペーパー作りがちょっと飼育員らの興味に響いたのであれば、双方が具体的に歩み寄るちょっとしたきっかけになってくれたら嬉しい。
道具は全部置いていく。
処理して乾燥させたサイフン繊維もまだたっぷりある。
Rhinoキャンプも毎年ある。
だからあとは、彼らがやるだけ。