本日は朝いちで病院に行ってから出勤。
やっぱりインフルエンザだそうな。
「だから今日は私、チンパンジーにエサやれないわ~」
チンパンジーは人間に非常に近い生き物、と言われている。
遺伝子の98%以上、人間と一緒だとか。
すなわち
感染るのよ病気が
他の動物以上に人畜共通の感染症に配慮せねばならない。
インフルエンザなど言語道断である。
ということで、ジェニファーと一緒に11頭のチンパンジーに、健康チェックを兼ねながらポリジとバナナをあげに行く。
ポリジは穀物の粉をお湯で溶いてお好みにより砂糖とミルクを加えるたどろどろした飲み物。
栄養満点。
ウガンダ人の朝ごはんや学校での子供のおやつに供される。
人間と同じ飲み物を、人間と同じようにコップであげる。
コップはこっちが持っているけど、彼らはちょっと手を添えて飲みやすい角度にしたりする。
さすがに類人猿。器用。
顔の違いも個々にはっきりわかる。
感情もわかりやすい。
いろんな意味で 人間臭い。
チンパンジーの人気の理由はこの人間臭さだ。
「動物の中で特に鳥が好きだ」と言ったら
「なんでチンパンジーじゃないの!彼らは人に近いんだよ」と返されたことがある。
・・・困った。
遺伝子が近いということは科学的事実として興味深いし。
行動も個性も多様なのも事実で見ていて飽きない。
でも
「人間に近い生き物だから」好き、とか優先的に保護する、というほうには私自身の思考と嗜好は向かないようだ(どちらかというとちょっと首をひねってしまう)。
ただ、ここに来てチンパンジーのほかにもサル類を観察する機会も多く、興味は以前より持っている。
なんでも、じっくり見てみるもんだ。
ここの11頭のほかに、去年孤児になって保護されたチンパンジーの子供が2頭、動物病院にいる。
いずれ一緒にさせるための時々トレーニングとして連れてきて、バックヤードの周りに放している。
展示スペースに出ている群れと堀越しに対面させて、お互いを慣れさせているとのこと。
特に気にもせずその周りをを歩き回って作業していたら、ふいに左足が重くなる。
長靴をはいた足に1頭が抱きついてこっちを見上げていた。
ちょっと笑ったような顔をして、しっかりこっちの興味を引こうと見上げている。
ムズングに興味を持って走って抱き着いてくるウガンダ人の子供らの表情と重なった。
おんなじだ。あまりに同じすぎる。
他のやつからは
初対面で目と目があった時、すっと手をのばされた。
握手でも求めているかのように。
・・・決して嫌いではないのだけれど
気を抜いていると、確かに違う動物だということを忘れそうな瞬間があり、引きずられそうで。
人っぽすぎるのは、ずるい。