散歩がてら、朝一でオフィスに忘れ物を取りに行くことにする。
日曜日の朝は敷地内が静かだ。
人にあまり遭遇しないので気楽に歩ける。はず。
と、food store*の前を通りかかったところ、
「Good Moooooo~rning!」
・・・中から大声でカヨンドに呼び止められる。
日曜の朝7時から働いてるのか。
・・・日本人ですかあなた。
「日曜はみんな教会に行くからスタッフ数が少ない。
今は自分が日曜当番。不公平にならないように3か月でシフトを変えている」
だから日曜は飼育の各部門に1人ずつしかいないので、彼は効率よく動けるように、まず朝一で動物のエサ用の野菜を切ってしまうことにしている、とのこと。
にしたって地道で勤勉だよこのヒト。
で、要するにわたくしは、その人手のたりないところに
大変都合のよく通りかかってしまったらしい。
結果、朝からニンジンとピーマンとパパイヤの山との戦闘に巻き込まれる流れとなる。
でも、餌を刻むときは大抵、飼育員と雑談になるので面白い。
そして今日はなんだか鳥の話題に。
カヨンドの素朴な疑問としては。
「日本人はなんでハシビロコウが好きなの?日本にいないのに」
どうしって言われても、なあ。
「・・・見た目のユニークさと、動かない鳥っていうキャッチフレーズのせいじゃない?
面白い行動をとる動物って人気出るでしょ~」
ウガンダの動物をウガンダで飼育展示したり、保護することを目的としているここの人らにすれば、自分の国の動物以外をちやほやする感覚はかなり珍しいものなのかもしれない。
ここにもし他の国の動物を配置したら、それはそれで人気は出るかもしれないが、
でもやっぱりライオンやキリンをみんな見たがるんだろうな、という気もする。
アフリカの動物は全世界基準で面白いのは間違いないよな。
彼らも自覚も自信もあると思うけど。
「日本人はカンムリヅルも好きだよね? 日本にいるの? 国の鳥?」
ええ。
少なくとも私が来てからここを訪れた方は、隊員からVIPに至るまで、
ここを訪れた全ての日本人がカンムリヅルの姿を求めていましたね。
「・・・きれいだからね。ウガンダの国鳥だし。
日本にもツルの仲間はいるよ。国鳥じゃないけど特別な鳥。日本のもきれいだよ。白と黒と赤で。」
「やっぱりカンムリヅルは日本人から見てもイイのか♪」←ごきげん
(いや、だから~日本のツルもきれいなんだってば。派手じゃないけどっ 聞いてないし・・・)
「じゃあ日本の国鳥は何?」
キジ=Pheasant、
なんだけどとっさに英語が出てこない。
「クジャクの仲間で・・・
クジャクの若いオスみたいな色でもっと太ってる感じの鳥」
「あ~日本に研修行ったとき見たかも。
ホロホロチョウみたいな。」
雑な説明の割に、美味しそうなフォルムをしている鳥という要点は正しく伝わったらしい。
少々脱線。
最近うちのクジャクのお父ちゃんは
あのきれいな羽の換羽期に入っていて行動が大変弱気に。
前はカンムリヅルがよく徘徊する正面エリアに負けじと居座っていたのに、
今はまず日中はどこかにコソコソ隠れていて見かけない。
やっぱり外見はクジャク♂のモチベーションを維持ずる上で大きいらしい。
伸びるまで、ファイト!
日本の鳥に話題が及んだので、もう少し話しを振ってみる。
「国鳥とは別に、学名がJapan japan(=Nipponia nippon)って鳥もいるんだよ」
「どんな鳥?」
「(トキだから・・・)Ibisの仲間」
「あ~Ibisか!日本にいったとき見たかも。」
アレはそんなにあちこちにいないと思うのでIbis違いだと思う。
(でも首都圏の動物園でどこか飼育していたと思うから、本当に見たのかもね)
Ibisの仲間はこちらにもたくさんいるけど。
よく見るIbisは
こんなやつだ。
すっとんきょうな顔のうえに、鳴き声がけたたましいことこの上ないので少なくとも優雅さのカケラは見当たらない。
・・・日本のトキはホントに美しいなあと思う(実物は見たことないけど)。
ここにきていろいろウガンダの動物を見たり世話をして、楽しいし、好きだけれど、
改めて日本の野性動物も魅力的だと思う機会もけっこうある。
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*food store = 動物のエサをストックしているところ。週2回、大量にトラックで野菜やら果物やらが運ばれてくる。