ついに、あの保護していたAfrican Gray Parrot(ヨウム)たちが森へ帰ることになった。
運搬ケージに移すため、朝からパロット仮小屋で大捕獲作戦を敢行。
パロットにしてみれば、まさか自分たちを放すために捕まえているなんて思いもしないので右往左往の大パニック。
ガーガーガー
けたたましい威嚇の鳴き声。
自分も捕獲に参加する。
い~た~い~は~な~し~て~!
最初の1羽の命がけの抵抗をかわしそこねて見事に噛まれる。
流血の犠牲をはらってコツをつかんだあとは順調に捕獲する。
捕獲したらケージに入れる前に羽の状態をチェックする。
ちゃんと飛翔できる個体でなければ自然の森にリリースできない。
逃げ惑っている間に擦り傷をこさえているところはドクターが治療。
二百数十羽と10名の壮絶な鬼ごっこの結果、
2時間後には200羽強のパロットが8つの移動ケージに収まる。
移動ケージの格子のなかからも彼らの抗議の声はやまない。
そりゃそうだ。
相当怖いのだろう。
いつもは斜にかまえている彼らの目がまんまるに見開かれている。
2台のトラックに分乗させ、人の準備が整い次第(更に2時間を要した・・・弱るぞ鳥)出発。
行き先、彼らの「帰る」ところは
Kibale Forest National Park.
チンパンジーが生息することで有名な国立公園だ。
元々、押収された場所は隣国との国境付近だが、関係機関による議論と調整の結果、ここへリリースすることが決定された。
首都から5時間ほどの道中、時々車を止めて鳥たちの様子をチェックする。
市場で彼らの餌になるフルーツや穀物を買う。
もの珍しいのでトラックに人が集まってくる。
パロットは人の姿が見えるたびにガーガー鳴く。
夕方、Kibale Forest NPのHeadquater Officeに到着。
今日はこのままここで一泊させ、明日、森へ運ぶ。
Office到着後一番に中をチェック。
ガーガー威嚇の声。
怒る元気が残っているのでとりあえずよし。
餌を切ってケージに入れる。
「もう何も信じられない~!」
とでもいうように威嚇を続けていたものの、空腹がまさったのか食べ始めて沈静化。
満腹になったのと振動がなくなったので安心したのか、いつものようにピュルピュルときれいな声でおしゃべりを始める。
繊細だけど図太い。
だから好きだ。