7.05.2011

カバカ

 先週、首都でこんなイベントをやっていた。
ブガンダ(ガンダ族)博覧会。

これにもエキシビジョン(移動動物園)を出しており、当初は行く予定はなかったものの、
ちょうど首都で別件の用事ができたのもあり、金曜日に半日ほど手伝いに行った。

よりによってその日が「カバカの来る日」だとは知らなかったんだよ。

ある意味、運がよかった。

さすが首都、エキシビジョンも容赦なく混むし。
混雑のどさくさで教材に持って行った写真が盗まれるし。
作ったばかりだったのに・・・ダチョウのカード・・・。
この国でハンズオン展示とかパウチ看板は絶対無理だと思う。
 
首都を中心にウガンダの人口の10%ぐらいがガンダ族。
部族の中に更にいくつもの氏族があるようで、会場の中には氏族ごとのテントが並ぶ。
氏族ごとに家の形、衣装、伝統的なダンスなども違うようだ。
それぞれトーテムの動物があるようで、動物の絵のついた「各氏族バッジ」みたいなのも売っていた。

「で、そろそろカバカが来るから」

警察やボディーガード風の黒スーツ黒サングラスの人々が動き回ったりと、にわかに慌ただしくなる。


「カバカって?」

 
「王様」

ウガンダは共和国だけど、いくつかの「部族の王様」が今も残っている。
政治的な力は今はないけれど、国民の中にはいろいろな意見があるのでガードも神経質になっている。

さあ、うちのエキシビジョンにも来るぞ~!
スタッフは動物の傍で待機なので、わたくしもダチョウと待機。
お客さんは全員、カバカの通り道の両脇に誘導される。
色々と物騒なようで
誘導を無視して草むらに伏せて隠れているあやしいお客もいたり。
(警察が引き起こして無理やり連れて行った)


遠くで太鼓がなりだし、集められた群衆がにわかに歌いだす、踊りだす。
 
大きな天蓋とともにカバカ登場

・・・遠すぎてどれからないけれど
かといって近くに来た時にカメラをかまえるわけにもいかないのでこれが撮影限界。

カバカと一緒に群衆が移動してくる。
どうやら展示を見ながらヘビに触ったりダチョウの卵を持ったりされている・・・らしい
近づいてくれば来るほど団子状の群衆しか見えない。
とにかく大人から子供から皆、えらい騒ぎようで。

油断してたらカバカが目の前においでに。

すっきりとした出で立ちで、品がある。
・・・手招きされる。

当然ほかにムズングなどいないので無駄に目立つわけで。
わけもわからず二言三言ご挨拶することにした。
粗相はなかったかしらねえ。


人々の反応を見ていて
尊敬されるべき対象であるという以上に
 国の体制は変わった今日でも、王様という存在や氏族というつながりはウガンダ人にとってどれほど大きなものなかと考えさせられた。
部族を持たない異国の者としては不思議な感覚。
まさに、異文化。