5.30.2011

5月30日 裏の森

敷地の中にちょっとした森があり、園内の古い地図には「Forest walk」の文字がある。
今も一部は使われている。
森自体は多分、二次林。
でも、それなりに大木もありまずまずの雰囲気。
ちょっと時間があったので散策してしてみる。


思ったより狭かった
30分ほどで終了。

ちょっと急な斜面になっていて、のぼっていくとすぐ敷地を囲うフェンスにぶつかった。
すぐ外側はコミュニティと隣接しているようだ。
で、このフェンスの内側はコミュニティの住民にとってはいいゴミ捨て場のようだ。
うーむ・・・。


使用頻度の高い場所以外はスタッフすら入っていないようで、ほとんどけもの道。
途中から道がフェイドアウトしていたり、 蔓、蜘蛛の巣、倒木などでふさがっていたり。
どこがもともとの小径かわからないので、それ以上進むのを断念。
知っている人ともう1回出直そう。

葉が茂りすぎていて、動物を見るにはちょっと見通しが悪いけれども、野生のサルが木から木へと移ったり、上でごそごそやっている気配なんかも感じられるのもまた楽しい。

今回の森の中での一番の出会いは
巨大な赤い「ネギ坊主」状の花。
ネギ坊主と広めの葉っぱにまどわされ、
もしかしてギョウジャニンニクの親戚か~?
などと淡い期待を寄せて葉を匂ってみる。

残念(当然?)ながら強烈なニンニク臭はせず。

5.25.2011

5月25日 フライングリフォーム

計画だけはあってもなかなか動かない、ということがありがちな中、
ここの園内は着々と、とまではいかずとも
ちくちくと、ぐらいのペースで、メンテナンスが進んでいる。
「これはアフリカ的には驚異的なペースなのではないかしら」と個人的には思っている。

今朝、通勤中に園内の薬草園の前を通りかかったら、
そこにある「ウガンダ伝統家屋BANDA風あずま屋」の茅葺屋根が半分はずされていた。
かねてより
うちのセクションでリフォームしたいと言っていたので、
Goサインが出たんだなあ。


しかしだ。
「修理始めたんだね~」
とオフィスで挨拶に次いで話題にすると


「・・・え?何?知らんぞそれは」

続いて
「だから今まだ話し合っているのに~もう~」
とのコメント。

えーと・・・
どうやら、調整不十分のままどこかからGOサインが出ていた模様ですな。

早い仕事は(この地では特に)ほめてあげたいところなのだけれど
今回のはフライングでしたか。

 うちのセクションのイメージとしては、
ここのメンテは壁をきれいに塗って、屋根もトタンに変えて、
学校単位で見学に来た時など、ちょっと休みながら解説できるスペースにしたい、
との思惑があるようだ。

その話を聞かされた時
「でも屋根と外壁は昔ながらの茅葺&レンガのほうが、ウガンダっぽくて観光客受けがいいと思うよ」
と言ってみたのだけれど。
トタン&塗り壁になっちゃうのかな?
何をよしとするか決めるのは彼らウガンダ人だけれど、
この雰囲気を消し去ってしまうのはちょっと勿体ない気もする。
ただ、日本と同じで茅葺は管理の手間とコストの面で大変なのかもしれない。

難しいとこだね。

5.18.2011

囲いの中の自由

先日の脱走イボイノシシのうち、1頭はすぐ捕らえたけれどもう1頭はしばらく逃げおうせ、苦労したらしい。

ナチュラルな感じで動物を展示してはいるものの、原則、飼育しているものは囲いの中。
囲いの外をうろうろしているのは「リアル野生動物」(前述のとおり紛れ込むけど)。
なのだが。
飼育している動物なのにリアル野生のものと同じようにFREE-RANGEで園内を闊歩しているのもいるので、ここはいよいよややこしい。

そのFREE-RANGE飼育代表
カンムリヅル
国旗の中央にもデザインされているウガンダ国鳥。
とてもきれいな鳥だ

飛行機や車との衝突でここに来た彼らは、主に翼に後遺症が残っており、若干の飛翔力はあっても野生下に戻ることはできない。
放していても敷地からは逃げないということで、5、6羽が園内の各展示を好きなように渡り歩いて暮らしている
(でも大体エントランスからすぐのオープンスペースにいる)
人の来る空間で自由にしているからといって人慣れしているわけでもない。

空いている日はこんなところでものんびり休んでいる。
 ・・・カラフルな遊具で本来カラフルなカンムリヅルが全く目立たない。
彼らなりのカモフラージュか?


 動物園というイメージを強く持って訪れる日本人隊員たちにはすべて「ワイルド」に見えるらしい。
たいていここの園内を見て「これでいいのか?」とびっくりされる。

「いいのか?」の意がどこにあるのかによるけど

本人・・・カンムリヅル的には自由でいいのではないかと。
多分。

5.16.2011

ウガンダ結婚式

土曜日キーパーのジュリアスの結婚式に招待され、伝統的なウガンダのお式を見ることができた。
ジュリアスとお嫁さん

ちょっと長いけれど今回の結婚式の一連の流れをご紹介。


朝。
職場からバスがスタートし、教会などで点々と招待客をひろい花婿側の「meeting place」(たぶんジュリアスの実家か親戚宅)へ。
ここで正装に着替えたり、花嫁の家に渡す贈り物を積み込んだりと準備。

さて、ウガンダの正装は
●女性
民族衣装「ゴメス」。上半身は極端に肩の盛り上がった袖で西洋式のドレスのようだけれど、下半身は巻きスカート式でこれを帯で締める。サイドの布がわざと長く余るようにしてあり、これをひだ状に畳んで帯を締めて垂らすと飾りになる。
●男性:スラックスの上に白いワンピースみたいな民族衣装を着用(ムスリムが着ていそう)、その上にジャケットを着用。

贈り物は
野菜や果物やパン
にわとり(生きている)
牛肉脚1
スーツケースや椅子
などなどなどなど・・・いっぱい(これ、日本以上に結婚に資金がいるのでは?)。
全て整えて会場へ向かう。

会場も今回は普通のちょっと広い民家の庭先(花嫁側の親戚宅?)。
既に花嫁側の招待客が片側に座っている。
我々も並んで入って対面に座る。
この時点でまだ花嫁の姿はない。
花婿も正面じゃなくて奥のほうにゲストと混じって座っている(私の隣に座っていた)。
お互い知らない同士という前提、らしい。

ここから「紹介と交渉」が始まる。
花婿花嫁の両サイド、司会者みたいな交渉人がひとりずついて、マイク持ってDJのように軽やかなトークをかわしながら、この結婚をまとめる「交渉」をしていく。
花嫁サイドの兄弟、姉妹、いとこ、おば達、と、主に一族の女性が交渉人の紹介と交互にあらわれ、花婿側と挨拶を交わす。
彼女たちの着ているのがゴメス。
アフリカ人は明るいはっきりした色がよく似合う。

やりとりはすべてルガンダ語のため、私には空気を読める部分以外は内容がさっぱりわからないのが残念だけど、ときどき笑いが出ているところを見ると、いかに飽きさせずこの長いプロセスを盛り上げていくかが交渉人の腕(舌?)の見せ所なのだろう。

交渉が盛り上がってくるといよいよビッグマム(おばあ)級の登場。
彼女らが「ではおたくの家の中から花婿を選びましょう」という感じで、
歌いながら花婿側の席に入ってきて
花婿を「当てる」
選ばれた花婿は自分の側の正面席に移り、はじめて花嫁側のゲストに顔を見せる。

ここから今度は花婿側のPR
花嫁側とちがって、交渉人が彼のバックグラウンドやゲスト(関係者)をひたすら説明する。
(私も「白い同僚もいます」と説明された・・・らしい。周囲の訳によると。)
花嫁サイドが花婿の人となりに納得すると、やっと花嫁登場。
一族の女性たちと一緒に花嫁は踊りながら登場し、真ん中のステージに座る。
ここに花婿側の女性たちが花婿からの贈り物を持って歩み出る。
彼女らが贈り物に込められた誠意を説明しながら花嫁に渡す。
花嫁が贈り物を受けとり、結婚して花婿の一族に入ることを受け入れたら、花婿一族の女性と共に、いよいよ花婿のもとへ。
これで交渉成功。結婚成立となる。

ちょっとした出し物を挟んだあと、花婿側から用意してきた贈り物を花嫁側に渡す。
これは花婿側のゲストみんなで手伝う。
女性はカゴに入ったプレゼントを頭にのせて運ばねばならない(ということで私もやった)。


その後、新郎新婦は一旦ひっこんで、招待客に花嫁側から料理がふるまわれる。
お祝いごとといえば料理。
どんなスペシャルなお祝い料理が出るのかと結構期待していたのだけれど

いつものウガ飯(ただし主食もソースも選択肢が多い)でした。

それから、

お酒はふるまわれない。

テーブルはなくて、まわりの人と話すけど食卓をかこんでゆっくり談笑、という感じではない。日本の披露宴みたいに「食」の時間にはあまり重心をおかないようだ。

食事がおちついたところで、新郎新婦再び登場。
今度はキリスト教に則ったセレモニーを行う。
牧師さんがきて聖書を読み、神様に誓いの言葉を述べて、指輪を交換。
その後ケーキカット。ケーキはデザートとしてふるまわれる。

これがそのウエディングケーキ。
・・・
青いところはお皿ではなく
クリームですデコレーションです。食べられます。
これに限らずこっちのケーキのデコレーションの色彩はどうも食欲が失せる鮮やかさで。
今のところ私の中の「ウガンダの受け入れがたい異文化no.1」である。


挨拶が続き、最後にみんなで神様にお祈りして終了。
じつはこのセレモニー中に新郎新婦に招待客がお祝いを言えるチャンスが全くないので、帰り際にあわただしくジュリアスとお嫁さんにおめでとうとお礼を言う。

・・・という感じで、
式場にいた時間だけで78時間はかかったか。

今回は「ブガンダ族の結婚式」ということだったので、また違う部族の出身者だと様式が違うのだろう。
セレモニーや衣装に植民地時代やイスラム教時代のいろいろな流れがミックスされているものの、伝統的に結婚が「家」と「家」のやりとりと関係の中にあるという印象だ。
特に花嫁は花婿側の女性コミュニティの一員となる、ということが示されるあたり、一族の「女性」のつながりの存在感が大きい。
ついでに、花嫁のお色直しは4回(それぐらいが普通とのこと)。
いろんな意味で結婚式は「女性のためのもの」だなあ。
 
今回は「ウガンダ伝統衣装」というドレスコード指定だったので、私もゴメスを着た。
とにかく朝から晩までかかり、かつ慣れない格好でいなければならなかったので、心身ともに大変にくたびれたものの、伝統文化に触れる機会に恵まれたのはラッキーだった。

(でも飲まず食わずでの拘束時間の長さを考えると、次にお招きを受けたらちょっと考える・・・)

着用したゴメスと、履きなれないヒールで両小指にマメができた足。

5.13.2011

5月12日 出てます

昨日の帰路、園路にて

イボイノシシに遭遇

お互いに立ち止まってにらみあう。

・・・イボイノシシも出るのかここ?

いや流石にこれは脱走か?

考えている間に、はじけた風船にびっくりしたかのように彼らが走り出した。
とりあえず園路を逃げていく姿を撮影。

その直後、キーパーのアレックスに会ったので、
「ここFree-Rangeイボイノシシもいるの?たった今見たよ」
と、この写真を見せながら聞いたら

「 いかん!出てる!2頭も!」

・・・やはり脱走。

ほかのキーパーに電話をかけまくり事態を知らせるアレックス。
今朝来るときには人もイノシシも何も走り回っていなかったので、昨日のうちに収容は成功したようだ。

イボイノシシはさすがにいないみたいだけど、
こんなのもうろうろしている。
 
Bush Duiker
小型のレイヨウ類。
これも他のレイヨウ類の展示に混じったりしていたので、最初見たときは逃げたのかFree-Rangeなのかわからなかった。 
まぎらわしい。

まあ今回はイボイノシシでよかった。
ライオンじゃなくて。
過去にはハイエナも逃げたことがあるらしい。

・・・
敷地内とはいえ、
夜はむやみやたらと家から出ないようにしよう。

5.11.2011

出入り自由

野鳥のつづき。


・・・こんな感じで檻の中にきれいな鳥が紛れていると
「飼育しているやつ」と思ってしまうが
これも野鳥。

ここの動物の檻はけっこうラフで、飼っているものが逃げたりしなければよいようなので、目が粗かったりちょっと隙間があったりしても気にされていない。
ので、小鳥レベルは自由に出入り可能。
ごはんが毎日あたるもの。・・・来るよ。

出入りするだけでなく住んじゃっているのもいる。
 
 ハシビロコウのケージ内に住み着いたハタオリドリたちの団地。

 
巣のひとつひとつが丸いカゴ型。
黒い子も黄色い子も
それぞれ器用に草を編んで巣をつくる。
(だからハタオリドリ)


ただ残念ながらかれらの場合


外敵も出入り自由なので


 
時々ヘビがアタックしてきて苦労して作った巣を襲われて大騒ぎになっている。

鳥、ヘビのほかにリス、1mくらいのトカゲなど色々な動物が飼育ケージに入り込んでいる。
飼育している動物たちもいいけれど、
この環境をうまく使っている「リアルワイルドライフ」の生態はかなり面白い。

5.09.2011

5月8日 バードウォッチング着手

久々に、ちょっと真面目に鳥を見ようかと双眼鏡を取り出した。

敷地の表門近くから裏門近くの建物に引っ越したため、
通勤にかかる時間が10倍(1分→10分)になり、
そのぶん知らない種類の鳥との出会いも増えている。
というか
増える一方で。
普段はじっくり観察している時間がないけれど、活動の資料にもなるかもしれないので記録をとってみようと思っていた。
双眼鏡、カメラ、図鑑を持って久々のフィールドワーク気分。

家を出てちょっと歩いただけですぐ遭遇した鳥、

ハゲコウ

・・・はちょっと無視してまたすぐ、
Sunbirdの仲間と遭遇。
この仲間はメタリックな光沢をもつ羽をしていて大変きれい。
この手の色彩の鳥は日本ではお目にかかれないので、楽しい。

歩いていて
木の上に大きな鳥がとまったなあと思って見てみると
・・・コンドルのような形のものがいる。
 そうか。コンドル(ヒメコンドル)ぐらいいるか。
アフリカだもんなあ。

色や姿形が特徴的なものは、あとで調べやすいのだけれど
 この手の外見が控えめな鳥になってくるとなかなか。

「アレに近い仲間」ぐらいの見当はついても
図鑑は当然英語
なので探し出すのにひと苦労。
それに一種を観察している間に次から次へと鳥が出てきて図鑑どころではなくなるので
 とりあえずピンボケでもなんでも写真を撮っておく。
そして家に帰ってから写真をもとに調べる。
時間はかかるし種数は稼げないけれど、敷地内に出る鳥をある程度把握するまでは地道にやるしかない。

今日は、写真と記録と記憶を頼りに何とか30種近くは同定できた。


・・・因みにここの敷地の中の野鳥、 常時観察できるものだけでも
300種以上は軽くいるらしい。
見るのは楽しいけれど、記憶するにはなかなかのハードルだ。

ここに来る人はもちろんライオンやらシロサイやら、ここで囲って保護している動物を見に来るのだけれど。
森も草原も水辺もそろっていて、たくさんの種類の鳥とその生息環境が見られるいいフィールドだ。
需要との兼ね合いもあるけれども、活かしきれていないのは勿体ない気がした。

***
Fish Eagleが上の枝にとまっている3羽のPide Kingfisherのいざこざ(おそらく♂2が♀1を巡ってのバトル)をじっと観察していた。
鳥が鳥を見てる・・・ほんとの「バードウォッチング」?