2.21.2012

2月20日 パズルとからっぽ

先日の学校、そして上旬のラカイ出張の際、我々を煩わせた問題がある。
 
「広報用ツールの管理の悪さ」 だ。

広報用の旗、横断幕、ロールアップスクリーンは移動動物園などでの使用頻度が高い。
が、
使用後にチェックして次の為にきれいにするという習慣がまるでない。


何とかなっているうちは放置していたものの

いよいよ何とかならなくなってきたみたいなので
(重い)腰をあげることにした。


まず旗用のポール類の整理をする。
混ざっちゃってどれが何用のものやら、わやで。

さあパズル開始。
だいぶパーツが欠けていて用をなさない組み合わせも多い。

「大丈夫よこれは古い方の旗用で使えるから、私わかるのよ・・・」
合わないポールを無理やりねじ込もうとするクレア。

そーゆーことするからバラバラになったり壊れたりするんですよ。
てか、わかってないぢゃん・・・

バラバラにならないように、ポールはセットごとに色テープで印をつけてみる。

  
横断幕やスクリーンは数が多いのでローカルボランティアに手伝いをお願いしてやってもらった。
最近、手伝ってもらうことが多い。
やっと色々、直接頼んだり一緒にできるようになってきた。

自立式のロールスクリーンはほとんどが巻き取り部分から外れてしまっている。
挟むだけのタイプはすぐ修理可能。他のものは両面テープがあれば修理できる。
庶務に両面テープのストックはないらしい。とりあえず買うか。自腹で。
横断幕も破れている。ケース類も補強が必要だ。
扱いの悪さもさることながら、もともとの設計に無理のある部分も
(重さと耐性のバランスを考えていないとか・・・)。

 とりあえず材料がそろってからまた修理することにする。
 写真入りのラベルを貼るなど、ケースと中身をバラバラにされない仕掛けも必要だ。
修理も自分でやろうと思えばできるものが多い。やり方を教えるか、書いておくかしよう。
一番大事なのはチェックの習慣づけだ。オフィサーは基本自分の手を動かさないし、どうしたらうまくいくか・・・

「次の教材がほしい」という前にきちんと管理する習慣がまず必要だろう。
管理できないならいくつ作っても無駄になってしまう。

物の管理というのは仕事の効率をすごく左右するので重要だと思っている。
だけど、物の整理やそのための指導をこちらのスタッフが私の派遣分野や経験と結びつけてみなしてくれるとは思えない。
この手の活動をやっているだけでは単に都合のよい労働力としかみなされないのでは、という不安がある。


マンパワーというのもありだ。結構だ。
だけど今、
活動のありかたについて、正直、行き詰っている。


折悪く先日、1月にこちらへ来た日本の動物園の専門家からその時の報告書が送られてきた。
色々な事業を行い、スタッフを巻き込み、次年度に向けての相談を受けるなど、大きな効果をあげたと書かれていた。
彼女が受け取った「やっと専門家が来た」「大成功だ」「大きな刺激だ」というウガンダ人スタッフからの感想が並んでいた。

それがまた一旦は割り切ろうと閉じた蓋をこじ開けた。


自分は専門家としてここにいるわけではない。

だけど全くの素人や学生としてここに来ているわけでもない。

肩書や役職がなくても
関係をつくり、一緒に動くことで色々伝えられることがる。

そう思ってきた。
今までもそうしてきた。
日本でだってさしたる肩書など持ったことない。でもやってきた。



だけど彼らの来訪後、私の中でここでの活動に対する何かが崩れた。



自分がある程度の経験値を持った人材としてここに配置される意味がまるでないと感じるようになった。


自分が1年かけてスタッフやボランティアと関係を作り、そこからやろうと思って下準備してきたことも含め様々なことがわずか10日の間に実施された。
ウガンダでは作成できない教材も日本で作成され提供された。
事業に必要であれば機材もメイドインジャパンのものが購入され提供される。
「専門家」が来るということに対する配属先の態度の違いも目の当たりにした。
「日本人が来るから予定を変更して担当者のサポートをしてほしい」と言っていたDirectorは、彼らの滞在中「別事業だから」と私をあからさまに蚊帳の外に置きたがった。感謝の言葉もなかった。


道具の管理のように、日常の中で地道に改善していったほうがいいことはたくさんある。
作業として手伝えることもたくさんある。
ここのスタッフが必要とすることを一緒になって進めてきた。
スタッフとの関係も悪くない。
なのに、ここに自分が存在していないような虚しさがある。



活動期間もあと1年を切った今、何をしたらこの虚しさは消せるのだろう

2.20.2012

2月17日 International School

久々、学校へのアウトリーチ活動について行く。


いつも予定が急にわかるパターンが多いが、

本件が今週から産休あけて出てきたクレアが

先週末からずっと出張に出っぱなしのデイヴィッドに無茶振りされて急遽行くことになり、

(この予定があることを忘れて出張入れてしまったらしい・・・)

いつにも増して急なことこの上なく。



案の定、急だから車がセダンしか確保できず。



 セダンにパイソンとヒョウモンリクガメとパロットたち+人間4人を詰め込んで出動。




さて、今回はいろいろいつもと様子が違う。



まず行き先は首都の「Rainbow International School



なんたってインターナショナルなので設備がきれい。


幼稚園から高校まで一貫教育。

アフリカンにアラブ系、インド系、欧米系、アジア系(ほぼ中国人かな?)の生徒がけっこうな割合で混じっている。

そして、みるからにお金持ちの子供。

アフリカン女子は幼児でも髪アレンジ(つけ毛)しているし、
ローカルではまず存在しえない「肥満児」もちらほら。

先生も様々な人種がいて、校長は陽気なラテン系な感じの白人。

何にせよ、こんなにもムズングとして全く珍しがられない学校ははじめてだ。



更に、いつものごとく演説系の授業をやるのかと思いきや、

今日は「Science Day*
だったらしく、

 学校に来たというよりもイベントへのブース出展といった赴き。
我々の他にもエコ・エネルギーの推進団体やら、白人の蜂蜜農家おばちゃんやらがブースを出している。

怪しげな自転車こぎ発電マシーンとか、ソーラーパネルなんかも並んでいる。

こんなに外から人を呼べるなんて、さすがお金持ちインターナショナルスクール。

校長自らペットボトルロケットを飛ばしたり、なかなかの力の入れようだ。





さて、この乾季のなかでも一番ではないかと思われる暑さの中、生徒が次々と押し寄せる。


皆とにかく動物見たい。さわりたい。悪戯したい。



暑いわ五月蠅いわで、おしゃべりなパロットたちは黙りこくったままで。

「うん」とか「すん」とか「ハロー」どころか「ぴー」とも言いやしない。

「さわられ」担当のパイソンもリクガメも爬虫類=変温動物。
 触るほうはたのしいが


ただでさえが暑い中、36度もある人間たちにぺたぺた触られまくったらしんどかろう。


だから時々動物をケースにもどして休ませる。 で、人間も休む。


今日は英語通じるし、さすがに1年もいるとそれなりに説明もできるので私も喋る。
しかし・・・
相手の英語が正しすぎて(=ウガンダ英語じゃない)聞き取れないこと通じないこと多々。
無駄にがんばってみた分やや落ち込む。





今回印象的だったのは、

お金持ちなだけにペットとして「カメ飼ってる」「オウム飼ってる」という子がそれなりにいたということ。

つまり彼らは、言い換えると「イリーガルトレード」や「ブッシュミート」の消費者側サイドに立っているのだ。

地方に行ってこれらの問題を解いても、現実には生活の不安定もありそう単純に受け入れられるものでもない。
そこに需要が存在する限りお金を得る手段になり続けるから。

だから、不法な需要をなくするためにこ消費者側を教育していくのはとても大切なことだ。
もちろん、日本人もその消費者側の一部だ。


出典はお昼まで。

大体、このイベントにお呼ばれするともれなくついてくるランチをごちそうになる。
本日は生徒と同じ、学校の給食をいただくことに。

さすがインターナショナル。ランチも違う!
 マカロニ!それにサラダとフライドポテト。

ローカルスクールみたいにポショ+豆(しかも毎日)ってことはないんだろうな、きっと。

***

Science Day:
こっちの学校も、日本の学校に運動会や学芸会があるように、
Speech Day(=学芸会+弁論大会みたいなの)」
Parents Day(参観日)」
Sports Day(運動会or 球技大会)」など、学校行事がある。
Science Dayは文字通り理数科系に焦点を当てた文化祭みたいなイベント。

2.10.2012

2月10日 夏バテ対策とマトケとウガンダ紙幣

現在、乾期真っ只中である。

連日30℃越え当たり前、雲など全く見当たらない快晴。
湿気もないので 洗濯物は2、3時間で乾くが、
それ以上干していると赤土ボコリでほんのり茶色くなる。

ウガンダ人が「暑すぎる~耐えられない~!」と言っている中

アフリカに来るまで限りなくブラキストン線周辺以北でしか暮らしたことのないわたくしが参らないわけがなく。



追い打ちをかけるように、今はジーナッツ(落花生)の季節らしく。
お昼の社食ウガ飯には連日ジーナッツソース登場。
美味しいから好きなんだけど

とりあえず見た目暑苦しい重苦しい。

 ジーナッツに限らずそもそもウガ飯、水分が少ないし味はアクセントないしで喉をとおりにくいことこの上なし。



 そんな私を暑さによる食欲減退(対ウガ飯限定)から救っているお役立ちなヒトたちはこの2つ。

 ①小型水筒(魔法瓶)

去年、日本某局のラジオ番組「地球ラヂオ(仮)」に出演したところ頂いた記念品。
はるばる海を渡って届いたコレを手にしたときは

送り先を本国住所にすべきであったかと少々後悔したが。

水買うのはともかく、最近の石油高騰の影響で

買うともれなくついてくるほぼリサイクルされないであろうペットボトルに払うお金が高くついているのは大変あほらしい。

水筒は家計にも大変ありがたい存在。
毎日、冷たいウーロン茶を入れている。


あともうひとつがこちら

 ②食堂の横に大変都合よく生えているピリピリ(唐辛子)

辛い物、万歳。
何より、その場で採って加えるというのが採集民族的にはテンションがあがる。

この唐辛子、小指の先ほどの大きさしかないのに辛さ強烈。
コレ、おそらく
日本の南国で見かける「島唐辛子」と似たようなもんではないかと。
2つぐらい入れれば十分。

・・・第一、、

ウガンダ人、特に中央出身の人の多くは辛い物が苦手なので大量に投入していると奇異な目でみられる。


とりあえず私にとってはこの2つがあれば、主食がなんであれ流し込めるので何とかなっているのだけれど。


定番マトケ(つぶしバナナ)が今週なぜかメニューに出てこない。
マトケ至上主義者たちにはそれが夏バテにこたえているようだ。

今日は週末=マトケ出ない日連続5日目ともなると、ブーイングもひとしおである。

マトケ崇拝者たちはマトケ食べないと力が出ないらしい。
(ま、朝バナナが必須の私としてはわからなくもない・・・)


今日、ちょっと要りようでウガンダのお札一式の写真を撮った時気付いたこと。

ウガンダで流通している紙幣、コインには、片面に基本的にウガンダにとって特徴的な動物がデザインされている。

でも 何故か



10000ush札だけは動物ではなくマトケが印刷されている!




・・・マトケ恐るべし。ゴリラと同列の扱い。国民の「ソウルフード}

やっぱり
夏バテには慣れ親しんだその土地の食べ物が一番いいものなんだろう。
本来。

初公開:ウガンダのお金。

印刷されている動物は、
1000ush = ウガンダコーブ
2000ush = テラピア
5000ush=ハタオリドリ
10000ush= マトケ(バナナ)
20000ush=バッファロー
50000ush=マウンテンゴリラ

因みにコインは100ush=インパラ、 200ush=テラピア(また?)、500ush=カンムリヅル

2.08.2012

2月2日 湿原模型と生きた教材


今年もこの日がやってきた。

22日は「世界湿地の日」

関係者以外全くしらないであろう超マイナー記念日。
でも湿地大国ウガンダは毎年記念イベントをやる。

今年はタンザニア国境近くのラカイという町で開催。
オープニングは地元の子供たちが道路をパレード。


今年は「説明するMaterialがない~!」という悩み解消。
新しいプリンターが導入されたので、フルに活用して説明用のポスターを作成して参加する。

箱型になっているブースを2つ借りられたので、1個をポスターブースに、もう1個をプロモーションデスクと連れてきた動物を置くスペースにする。

この1年の教訓。

ウガンダ人に任せると読む人のことを考えず配置する。

先手必勝。さっさと動いて設置する。



しかし

ウガンダ人は良くも悪くも自分のしたいように変えてしまう習性がある。



後から、案の定
「プロモーショングッズが横断幕で隠れて見えないからこっちに移す!」
と言って有無をいわさず机を隣から移動。
これでポスターブースの入り口を半分がふさがれる。

で、そうなると人が常駐するのがポスター側になるので、
「動物も近くに置かないと管理できない」
という話になりコンテナ類移動。
さらにもう半分の動線が動物の入ったケースに塞がれる。

結果、全てを小さい1つのブーススペースに詰め込まれる。
スタッフは上機嫌だけど
これで中まで入ってポスターを読んでもらうのはほぼ不可能。

何の為に作ったんだっけなあ・・・
入口の横断幕をずらすか外せばいいだけの話だったような気もするが、もう仕方ない。
写真を見てもらえるだけでよしとしよう。


さて、色々な団体が色々なブースを出している中、わたくしの目を奪ったものがこちら。
お隣の団体のブースにあった湿原の模型。

ちゃんと水を注げるようになっていて、向かって左が湿原モデル、右が埋め立て地モデル。

泥水を注ぐと湿原モデル側は泥も取り除くし一気に出ないでぽたぽた出てくる。
湿原のろ過機能と保水機能。

一方ゴミだらけの埋め立て地モデルのほうは、泥水がそのまんま一気に流れ出て保水もろ過もされない。
かなり良くできている。すごい。

以前、湿原の役割を説明するためにハリボテ模型「湿原1号(仮称)」を作ったことがある。
けっこう苦労した記憶がある。
だからこれがどんなにクオリティが高いかよくわかる。
「湿原2号」を作る機会があったら今度はこれを真似しよう。

こういう教材を作れる人は、伝えたいことが明確なんだと思う。

地元の学校も来ていたので、湿原模型を使った説明は子供らをとても引き付けていた。
各ブースとも、学校に貼るポスタ型などの教材を結構配っていた。

うちのMaterial(=教材)といえばプロモーション重視のモノが多くて、子供向けの教育用教材は正直ちょっと弱い。

でも我々には「生きた教材」を連れてきている強みがある。

今回はおなじみヘビ(ロックパイソン)とヒョウモンリクガメ。



の、はずが。



カメは運搬ケース(野菜コンテナ)に入れたままブース正面にほぼ置きっぱなし。

パイソンを不透明なケースからひっぱり出してのスネークショーは1回だけ。

しかもそれは管轄省庁の大臣がブース見に来た時だけで子供は眼中になし。

こんなに子供いるのに見せないの?説明しないの?

そもそも、スタッフがあまりブースに居ない。
大臣訪問が終わったら完全にリラックスモード。

ブースで「カメ番」しながら私が説明してみるも現地語しかわからない子もいるから限界がある。

で、カメ見たさに子供らが押し合ってぎゅうぎゅうになっているところにスタッフが戻ってきて、
子供を追い払って私とカメを救出。

いや、そうじゃなくてさ。

説明(ブース番を)変わってほしいんだけど・・・。

どうやら皆

混んでるからブースにいたくない

というのが本音らしい。


何のために参加してんのかなあ・・・もう。


うちは 一応野生動物保全のための教育普及活動ってのがミッション(のはず)だ。
今回のイベント参加の目的が単純にプロモーションだったにせよ、
その機会を自ら逃しているようで非常にもったいない。

少なくとも今回に関しては、せっかく連れてきた「生きた」教材すら活かされていなかった。