3.23.2012

3月23日 Lutembe植樹


本日は、8月と9月に植生調査をしたLutembe湿地で植樹イベント。

・・・と、敷地の門を出た所で、先日放たれたクジャク×4に遭遇。
自由を得てから10日目にして、ついに外の世界に踏み出した模様。
「うちの奴らが外に出ているぞ!」
隣でオセノが焦ってキーパーに電話。

今さら何を。


さて、湿地での植樹イベントなんで私はお仕事モードで長靴を履いて行った。
が、
省庁や県庁から来ているオフィサーの女性たちはスカートor ゴメスにハイヒール。
男性も大体革靴だ。
眺めのいいこの辺りに鳥の観察センターやら宿泊施設をつくってエコツーリズムの拠点にしたいとの説明を受ける。
雑談程度に「木道つくんないの? 日本ではお客さんに人気あったし湿原の観察にもすごくいいよ」などと話してみる。
(まあ水位が高そうなのでそんなに長い距離の木道は作れないだろうけれど)

植樹苗スタンバイ。
イチジクやらカナリウムの仲間やらが選ばれている様子。

しかし、植樹の前にまずセレモニー。
演説好きのウガンダ人はこの手のモノを重視する。
そして、必要以上に長い。
あと、参加者を確保するため、軽食やソーダがふるまわれるのが一般的。
本日もイチジクの木の下で飲み食いしながらゲストのお話を聞く。
ローカル向けにルガンダで全部訳すのでより長く感じる。

因みに一番しゃべくったのはうちのデイビットだった。
長すぎる話は人を引き付けないのは日本もウガンダも同じだ。

1時間強でセレモニー終了。
あ、「植える時の注意点」とかは全く説明しないのね・・・。

やっと植樹に入る。
ノルマはひとり1本でいいようだ。

今回は近所のSecondary School(中学高校)からも生徒が参加して植樹。
予め穴は掘ってあるので、穴に苗を入れて土をかけていくだけ。
簡単。

・・・しかし、この土が曲者で。
湿地周辺の土は粘土質。
大体、ここらの土は良質なレンガの材料になっているくらいだ。
数日前に彫られたとみられる土はカチカチに固まって既に日干し煉瓦状態。
それを砕いてかける。

無造作に植えられた苗木たち。
・・・この日差しと土ではすぐ枯れそうな気もしないでもない。

でも生徒たちには湿地に興味を持ついい機会になったようだ
 そっちの芽を枯らさないことのほうが大切かもしれない。

3.19.2012

クジャク自由になるも…


「クジャク、園内に放鳥するから」
と、ヒョウの写真を撮っていた日にいきなり言われる。

9月に孵った3羽のヒナは順調に成長し、
親と変わらないサイズになっていた。
確かに、5羽もクジャクがいると若干ケージ内がうっとおしい手狭な感じはあった。

「・・・何で?」
「これ以上繁殖されても困るから」

要は「もう多くなりすぎてご飯はあげられないから適当に達者で暮らせ」ということらしい。

今さら何を。


さて、自由を得たクジャクたち。
とはいえ、そんなに飛翔力のないこの子達は放したところで敷地内から飛び出す心配もあまりなく。
案の定、翌日から堂々と敷地内を闊歩。

お父ちゃんは単独行動。
カンムリヅルと美しさを競うべくなのか、彼らが拠点とするエントランス付近によく鎮座するようになる。
派手なので無駄に目立つ。

お母ちゃんは自分と大きさがあまりかわらない3羽のヒナをつれ歩いている。
(高校生ぐらいの子供を連れて歩いている感じか?)
この大きさのものが団体行動していると地味でも目立つ。

彼らはインドクジャクなので
アフリカではれっきとした外来生物かつ「家畜」。
敷地内から一歩出たら多分どこかのお宅の晩御飯になってしまうこと請け合い。

自由の現実はけっこう厳しい。

3月13日 Staff Traning


本日は1日かけてスタッフ研修会が開催された。

・・・いろんなことがいきなり実施されるのにもだいぶ慣れた。
金曜日になんとなくべリンダとアイザックが企画について話しているので空気を察知はしていたが、
月曜の夕方に正式に全員にメールで広報され(でも全員がメールチェックするのは無理)、
火曜朝8時集合予定。
・・・時間通り来いっていうのに無理がある。

「トップダウンも大概に」と言いたくなるような周知状況の中、それでも9時には集まったのは本当に皆エライと思う。


本日の研修の目的は
・内部コミュニケーションの改善(チームワーク)
・リスクマネジメント
の、2点。

午前中はキーパーについて飼育の業務を実施体験。
キーパーにとっては、いつもオフィスでふんぞり返っているオフィサーののど元に現場の問題を突きつける最大のチャンス。案の定、飼育の現場に足を運んだことのない職員のほうが多かった。

昼から午後にかけてはグループワーク。ここで想定される同時多発的なトラブルについてのシナリオがそれぞれのグループに与えられ、それをどう解決するかアイディアを出し合った。


この種の研修を自発的に実施するのは、日本の団体でも難しいところは少なくないのではないだろうか?


アイザックに聞いてみた。
「昨年の日本の動物園での研修で何かトレーニングや影響を受けたのか?」と。

彼は、はっきり
「違う」
と答えた。

「ずっとこれらの点に問題を感じていて、こういうトレーニングを実施しようと計画していた」

1年間、色々なスタッフが彼以外にも、Directorを含め多くのスタッフがこの問題を感じていたのを私も知っている。
どうしたら解決できるか考えていたのが彼だけでないのも知っている。


日本からの専門家の報告書などで、内部コミュニケーションの不備については改善点として挙げられている。「本社」もそのように認識しているとのコメントを聞いたこともある。
で、改善の兆しは事業による「成果」や「効果」と言われがちであることも。
確かに影響はゼロではないだろうが、ここで彼らと一緒に働いているわたしとしては、少々都合のいい解釈だと感じざるを得ない。

彼らの能力も、仕事の進め方も私は見て知っている。

全てが支援によって促されているのではなく、彼らが自発的に学び行動していることが確かにあることを知っている。

なんでも塗りつぶされてしまわないように、ちゃんとその事実を知り続けていようと思う。
私はここで彼らと一緒に働いているのだから。

3月12日 Big Cat


ヒョウ(Leopard)の「イケてる写真」が必要になった。
ストックがイマイチなので撮りに行く。
ここでの動物撮影は午前中が勝負だ。
昼を過ぎると大体どの動物もだらだらしてくる。
大型ネコ科はその最たるもので、午後はほんとに昼寝しかしていない。

展示スペースに出ていなかったので、バックヤードにお邪魔して撮影開始。

梅の花みたいなヒョウの殻は近くで見れば見るほどきれいだ。
体の筋肉や骨格のラインも非常にしなやかできれいだ。
願わくばこのまま体型をキープして(させて)ほしい。
ここのライオンたち(特に♀)は完全にメタボ路線を突っ走っている。

屋内だと表情など近くて撮れるメリットはあるものの、広報用の絵的には外にいる写真がほしい。

ケージの掃除をする必要もあるので、ニコラスが外に出すためのゲートを開けてくれた。

・・・なかなか外に出ていく気配がない。

このヒョウは南アフリカの動物園生まれ動物園育ち。
だからものすごく人懐こい。
まだ若いので遊びたい盛りでもある。
掃除中のキーパにかまってほしくて(檻の中から)じゃれまくっている。
かまってあげないと駄々をこねてでんぐり返る。
・・・ネコだなあ。

いいかげん出てもらわないと掃除もできないので、檻の外からニコラスが水をぶっかけて追い出す。

展示スペースに出てもまだ人と遊び足りない感じ。
だんだん誰でもよくなってきて私にも格子の向こうからじゃれかかってくる。
遊んであげたいけど命はかけられない。

 どんなに目に野生の光が乏しくても、ヒョウでいてほしいし。