10.21.2011

10月21日 重なる日

トラブルというものは


ときに



手をつないで仲良く束でやってくる。



体調がとりあえず回復したかと思いきや

今朝は台所の棚にやたらと入り込んでしまったゴキブリ退治からスタートで。

ほうきと殺虫剤でとにかくたたき出す。
 こっちのゴキブリは何だかどんくさいと思う。

出てきたやつらをラッキーとばかりにヤモリが横でぱくぱく食べていく。

・・・それ、
殺虫剤かかってるからやめなさいね。

・・・
大体君がそうやってものぐさだからゴキブリの侵入を許したんじゃないのか?

被食者がどんくさいなら捕食者はもっとどんくさいと思う。





まあ、こんなのはまだウォームアップとして。



オフィスは昨日、1日中停電していた。
そして今日も電気なし。
・・・仕事にならないので、
同じ敷地内でも電力のある自宅で作業することにする。



まあ停電も慣れているし電気がなくても死にはしないが


自宅で作業していたら、断水。

水はちょっとまずい。ないとまずい。
供給の問題ではなくここの建物の機能がどうかしている可能性もあるし。
エンジニアを探して聞いてみることにする。


小さなことでも重なってくると微妙な気分になってきたところで、


昼食の調理中にガスが切れた。

 ・・・いつかは切れる。そろそろとは思っていたのでそれはいい。

問題は切れたことよりも、

車を手配してボンベを持ってガスを充填しにガソリンスタンドへ行けばいいだけの話のはずが

私の使っているオレンジのボンベのガス会社は
現在ガスの供給がまにあっておらず
ウガンダ中どこにいってもガスが充填できないことが発覚。

・・・国中にないというならもうどうしようもない。
 別の青いボンベのガス会社はガスを持っているけど、違う会社のボンベには充填してくれない。
 

解決できるかどうかはともかく、
対処の努力をしないとここでは何も一歩も進まないのは確かなので
結局半日以上、電気とガスと水道への対処にふりまわされて終わった。

水だけは供給元に原因があったようで、夕方には元通りに。
オフィスの電気は某かの故障のようで、うちのオフィスの系統だけだめらしい。
そしてガスはいつ補充できるのか全くわからないので、しばらく「炭火生活」の見込み。


会った人々に挨拶がてら状況を話すと、誰もが最後に「This is Uganda」と言っていた。


まあ、そうだねえ。

本当に相槌をうって笑うしかない。
とりあえず不便でも生活はできるから。

10.18.2011

10月18日 おなかをこわす

先週末は出張後にそのまま首都に滞在。
そこでいいものを食べすぎたのか、日曜の朝、ちょっとおなかをこわしていた。
とりあえず手持ちの薬を飲んで症状をおさえ、首都から家への帰路につく。

途中、だんだん荷物を重く感じるようになり、腰が痛くなってくる。

このときはまだ、
欲張って市場で白菜を買ったせいだと思った。
だって白菜は首都でしか買えないし。

白菜ひとつの荷重がこたえるくらい体が疲れているのかと思いながら何とかマタツに乗車。
マタツ下車後もひいひい言いながら何とか歩いて家にたどり着く。


荷物をおろしてしばらく休んでも、全く体が楽にならない。
白菜のせいにしては、いくらなんでもおかしい。
ここでやっと発熱の可能性に気づく。

あ、

38度越えだ。

今までお腹は何度もこわしているが、大抵ちょっと休めば治る。
ここまで高い発熱を伴うものは初めてだ。
おなかの調子も最高潮に悪く、ちっともベットに横になっていられない。

・・・こういう時、まず最初に疑わねばならないのが「マラリア」。

倦怠感もひどいし、熱のためか体も震えてきた。寒い。
「ウガンダ隊員自己管理のための健康ハンドブック」によると

マラリアの症状と一致する項目もある。

とにかくポカリと毛布を準備して、様子をみる。

本当にここでマラリアならもっと熱があがり、その後ひどい発汗に襲われるはずだった。

幸い、ひと晩寝たら熱は微熱レベルに落ち着いた。
でもおなかの調子はまったくよくならない。当然食欲もない。
マラリアの可能性が薄れてよかったけどよくない、全然よくない。


病院へ行こうかとおもったが、
ここまでおなかの調子がわるいとその病院にたどり着くまでが大変。
大体、たどり着けるレベルになったらそれは快方に向かっているという可能性が高い。
だったら無駄だ。
やはり根気よく寝て水分補給をして様子を見る作戦に徹する。


さて、ベットで横になってうなされながら
「ウガンダ隊員自己管理のための健康ハンドブック」をぱらぱらめくり
私の腹に侵入して悪さをしている菌はいったいなんなのか検討してみる。

こちらでは、ひとくちにお腹をこわしたといっても
「アメーバ赤痢」「コレラ」「腸チフス」
などなど、非常に穏やかでない病名が並ぶので侮れない。

でも、今回の症状と回復のしかたを見る限り単なる「食あたり」のようだ。

・・・

何にあたったのかさっぱりわからない。
(一緒に同じものを食べた人たちはみんな無事)

普段が粗食なのにいきなり首都で贅沢したので体がびっくりしたのだろうか。
出張で疲れていて私のおなかの中のビフィズス菌が仕事をさぼって侵入者と戦わなかったのだろうか。


昨日今日と2日寝て過ごした結果、だいぶ回復した。
熱も下がったし、たぶん明日は普通に仕事できるだろう。

ただ昨日今日とちょっと楽しみにしていた仕事があり、
ここで休んだことで仕切り直しになってしまうのが非常に惜しかった。
惜しいけど、エネルギーのないときに無理に動かしてもしょうがないと割り切ることにする。
またチャンスは来るだろう。

10.11.2011

10月11日 日本では何を

本日、チンパンジー飼育の手伝いに来ているドイツ人ボランティアの誕生日ということで、
帰りしなにお呼ばれされ
チンパンジーハウス前でシャンパンをごちになった。

日本から研修帰りのアイザックも同席しており
「日本式乾杯だああ」
と言い出し、やおらグラスを満たし始める。

・・・どうやら日本文化(飲ミニケーション)のお作法のひとつ、
「一気飲み」をきっちり覚えてきたようで。


もちろん


受けて立ちました。


結果は当然


負けませんでした。 

最近若者についていけない自分を多々感じているのに、
しょーもないことだけはまだまだ現役で。
もっとも最近の若者はあまりやらないようですがね。

でもシャンパンは勿体ないので2回戦は断る。 

「ビールはS社が美味しかった」
というアイザックには日本に帰ったら北の大地限定「クラシック」を送ってあげたい。

あと、何が美味しかった?

「サンマっていう魚のローストが美味しかった。
たらふく食べてきた。
日本のラディッシュwith ソイソースで。」

・・・

●×▲□★!!!

嫉妬のあまり声が出ない。

「テラピアがあるじゃん。ナイルパーチも」

と周囲になだめられるも、平静ではいられない。
淡水魚と海水魚の間にはマリアナ海溝ぐらいの隔たりがあるんだよ私としては。
 ああ何故、私にお土産に持ってこなかった・・・。
サンマと遭遇するとわかっていたら、頼んでおいたのに・・・。

研修で何を学んだか詳細は知らんが
彼は間違いなく日本文化の根源である
「日本の四季の味覚:秋代表」をきっちりと味わって帰ってきているので、
文化交流の面ではこの事業、大成功だと個人的に思う。

10月8日 捕ってきた


新しい動物が2種類来た。

ハーテビースト
が、3頭。
角がえらいこと後ろに曲がっている種類。

それと、トピ。
 これが2頭。
顔がえらいこと黒い種類。
お隣の色白で細面のインパラといい対比だ。

正確には、来たのではなくて、

「捕ってきた」

 仔ゾウの場合は非常に都合よく保護されてきてくれたが、
長年飼っている動物や、保護されて来る動物だけでそんなに都合よく動物の種類が揃うわけではない。
ということで、そんなに希少性の高くない動物はキーパーら自らNPで捕獲してきてしまう。

もちろん必要な許可はちゃんととります。

野性動物やNPを管轄しているUWAもパートナーなので、教育の為ということで協力体制をとっている。
過去には「ええ、これも!」と思う動物も野生下から「獲得」されている。
日本から見れば珍しい動物たちが野生下から補充されてしまうなんて、ちょっとびっくりで贅沢な話。
とりあえず皆、元気だから、細かいことはよし。

10.07.2011

10月7日 大雨


早朝から、台風レベルの大雨が降っていた。
風も強い。

問:朝、出勤時間に雨がふったらどうするか。




答:晴れるまで待ってから出勤する。



これがウガンダの一般的な雨の日のお作法。
豪雨の中出勤するのは(できるのは)
自分の車を持っているゴージャスなオフィサーだけだ。

雨の降るパターンに地域ごとに癖があり、
この辺りは大体早朝にざっと降ったらおしまいで、
長引いても半日以上だらだら降りつづけることは稀だ。
日中降っても30分くらいで晴れる。
だから、とりあず待つ。

しかし今日は一向に雨足がおさまる気配がない。
仕方ないので家で作業しながら待つ。

雨も雷もどんどん激しくなり、
ひっきりなしに雷光と雷鳴と地鳴りがほぼ同時に発生。
・・・落ちてますなあその辺に。

このままもう自宅で作業し続けようかと思っていたところ
ついに停電。
・・・PCのバッテリー残量との勝負に突入。
オフィスのほうが電気の回復が早いので、やっぱり晴れたら行こう。

結局、雨がおさまったのは2時過ぎ。
それでも空は鉛色でまだゴロゴロ言っている。
こわいこわい。

オフィスに行ってみたら、
停電の影響で不自由していて皆あまり仕事になっていない様子。
この雨の中無理に納入されたらしいA3コピー用紙は濡れてふにょふにょだ。
普段のんびりしているのに何でこんな雨の日に無理して運ぶかな・・・。


「雨が降ったらお休み」と言った南の島のハメハメハ大王様

あなたは正しいと思う。

10.06.2011

10月6日 誰の責任?

敷地内で最も頻繁に見かけるFreeRange
=飼ってないホントの野生動物
は、 Vervet Monkeyである。

 大体、群れでうろうろしている。
 子供もたくさん連れていて、黙っていればかわいい。

 

だが、
こやつらが敷地内で最もタチが悪い動物だと思う。

とにかく、人の食べ物を狙う。

ゴミ箱のゴミをあさって散らかすのは当たり前。
黒いビニール袋=食べ物入りということも知っているので
食べ物を持った人間に近寄ってくる。
盗むぐらいは当たり前で、
相手が弱いとみると時に攻撃してきて奪う。

食料買い出しの帰りにうっかりこやつらに会おうものなら
しつこくつきまとわられる。
追い払ったら、牙をむいて飛びかかってこようとされ、
容赦せず石やらレンガやら足元に投げつけたこともある。
・・・やらなきゃやられる。
同じ敷地で野生動物とトラブルなくやっていくために、時に態度で示すことも必要だと思っている。 
手を打たなかったらエスカレートするいっぽうだ。

でも全般的にもう行動が完全にエスカレートするところまでしている。
無人の車にも平気で侵入し、いたずらもする。
 
食べ残しをほいほい捨てていくなど、人間の行動に原因があるのは確かだ。
しかしこの手のサルの場合、
人間がどんなに気を付けていてもあの手この手で攻めてくるしたたかさがある。
果たして人の側の行動を徹底したところで、 サルの行動が変わるとはちょっと思えず、厄介。

私のいるオフィスは入園口のエントランスに面しており、
ここに広がる芝生でスクールトリップに来た学校が弁当を広げるので
学校が来るとVervetらが弁当目当てにスタンバイ。

子供は当然サルにかまう。
サルは咬みつこうとする。 ぎゃあぎゃあ威嚇する。
子供はまた面白がってかまう。きゃあきゃあ騒ぐ。

五月蠅い。
どっちがサルかわかんないくらいとりあえず五月蠅い。

もう毎日のことで慣れたので、大抵は放置。
あまりに数が多いのでいちいち注意もしていられない。
先生もついているし。

しかし、本日の子供らはちょっと「おいた」がすぎていた。
見かねて、べリンダと共に、昼食のため腰を上げたついでに注意する。

「咬まれるからダメよ。病気持ってるかもしれないからね!」

「・・・ていうか、先生、
あんたが子供をちゃんとサルから引き離しなさい!
あんたの生徒が咬まれるわよ!」

全くだ。
けっこうぼさっとしている先生が多い。
咬傷だけならいざしらず、狂犬病などの危険もあるのに、危機感がない。


注意看板でも作ってつけようか?と言ってみたところ
「Vervetは完全にFree-Range(野生)だから
私たちがそこまで責任持つ話でもないのよね」

確かにそうとも言える。

日本の場合、例えば「公園」なんかで「何か」が起きると「管理者」の責任が問われるケースがある。
そのことを話してみると、確かにクレーマーがいる可能性はあるが結局この場合は「自己責任」とのことで。
学校の場合、先生がいるから子供が動物にかまって怪我したらそれは引率者である先生の責任、という解釈。

ただ、咬まれた結果に対して責任を負う必要がないとしても
教育や情報提供をする責任というのはあるような気もするが。
「野生動物との共生のための教育」が当施設の使命だったような気がするのは気のせいか?

まあ、看板をつけたところでウガンダ人(の先生)が読まなそうなのも事実。
たとえ全てに対応しきれなくても、
ケースバイケースで直接注意するのが一番現実的なのかも。

10.04.2011

10月4日 謎のベジタリアンランチ週間

お昼はいつも「社員食堂」。

メニューはもちろんウガ飯オンリー。


1週間のメニューは大体こんな感じで。

メインソース:
月、水、金、土は牛肉、
火曜日は魚
木曜日はチキン
日曜日は、その時あるもの。

サブソース:
マメor野菜orジーナッツのうちどれか1品が日替わりで出る

主食
マトケ(蒸バナナペースト)とポショ(トウモロコシ粉のソバガキ)は毎日ある。
プラス、米or ヤムイモor さつまいものどれか1品があるのが基本パターン。
日曜日はぽきぽきに折られすっかり伸びきったスパゲッティ(←これがウガンダスタイルなんだそうな)が出ることもある。

ということで、比較的メニューのバリエーションがある。
更に、作るコックによって味が相当左右されるのも手伝い、変化にはこと欠かないし。
学校配属の隊員などは、毎日ポショと豆ソースを出されるようで、
人によっては「もうウガ飯見たくもない」というレベルになるらしい。
つまり、自分のランチ事情は相当恵まれているほうだ。


だからある種贅沢な悩みとは承知しているが、


この10日ほどランチがおかしい。

先週いっぱい肉が、魚が、トリが・・・
つまり
「動物性蛋白質」が出なかった。

そりゃ野菜ソースは美味しいし、
たまに肉ソースがイマイチそうな時は断ったりもするが。

何で?
仕入れミスったのか? 
それともメニュー決定に発言権を持つスタッフが厳格なヒンズー教にでも改宗したのか?
とにかく肉が出ない。


ただでさえ、買い物が不便なので日々のタンパク源をランチに依存している私としては厳しい。
心はともかく、
体が物理的に「足りないものは足りない」と全力で訴えている。
ただ今、栄養不足でか口内炎がぽこぽこ発生。
ひとつ引っ込むと次が出たがる。
常に津軽弁で言うところの「いづい*」感じだ。
朝晩ビタミンB錠剤でねじ伏せ続けるものの、
隙あらばいつでも返り咲く体制でスタンバイしているのがわかる。

私(の口内炎)以上に敏感にメニューに反応してるのが
うちのハイソなオフィスレディ達で。
「肉ないなら行かな!食べない!」などのボイコットも発生。
(・・・というか、普段から「米ないなら行かない!」というコメントも発せられているが・・・)
ウガンダ人、ウガ飯に対してはかなりワガママでこだわり強いと思う。
ウガ飯以外の食事にはそれほどこだわりを示さないのに。



さすがに今週は元に戻るだろうと思っていたのに、昨日も肉なし。

このままベジタリアンランチ2週目突入か!

と、おもいきや、本日。

10日ぶりの動物性蛋白質「テラピア」がランチに降臨。

・・・しかしだ。フェイントかもしれない。
明日以降の肉の復活を認めるまでは安心できない。

今の状況なら、これが仮に
道東地方のサンマならあと1か月肉が出ないと言われても我慢できるが、
こんな淡水魚一切れでごまかされるわけにはいかない。

さあ、いつまで続く?ベジタリアンランチ。
長く続くなら栄養対策にニワトリを飼おうと思う。

あ、まず卵用でね。


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*「いづい」=津軽弁。
例文:「ものもらいが「いづい」」
 といった風に使う。
方言は時に標準語では説明しがたい感覚を的確に表現する優れた言語文化だと思う。