6.27.2012

6月26日 なまもの

うちの職場はビクトリア湖に面しているので、その気になれば魚は手に入りやすい、らしい。


デイビットがよく生魚とか燻製魚とか持って帰っている。
知り会いがくれる場合もあるし、
オフィスまで売りに来てもらったりもしているようだ。


(最も、魚が大体テラピアなので、私はあまりその気にならない。)

で、その魚を「素」でぶらぶら持って家路についたりする(車だけど)。
こんな感じで。
特大テラピア。
レストランではこの大きさがまるごと唐揚げになってwith Chipsで出てくる。
(うまい。太るけど。)



しかし今日の夕方はめずらしく魚ではなく

エンコッコ(ニワトリ)をぶら下げてご機嫌

知り合いからもらったらしい。
で、このまま小一時間、園長ジェームズ君と打ち合わせしていた。
ま、今日食べないならしばらく育てとけばいいしね。

こっちでは鶏肉は基本、
鶏のまま売っている。
(スーパーマーケットとかムズングがいく首都のお高めの肉屋では肉になって売っているけど)


ニワトリはちょっとごちそうなので、
何かお祝い事がる時に買って料理する家が多いようだ。
だから何気ない時にもらったりすると、とても嬉しいらしい。


「なまもの」を「生き物」の姿を保ったままで手に入れるのが当たり前のウガンダでは
私たちが命を頂いて生きていることがはっきりと感じられる。

6.19.2012

6月15日 午後―Farewell a Teacher


午後。

午前の興奮冷めやらぬ職場を離れ、同任地の隊員が活動している学校へ向かう。


私立の小学校で2年間活動したコボリ嬢。
今日はそこで彼女のFarewell Party(=おわかれ会)。

わたくしの職種もウガンダ支部の中では希少種だが、
彼女は全支部的にみてもレアな「音楽隊員」である。

昼下がりから始まったパーティーでは、
子供たちが学年ごとに彼女に指導してもらった音楽の成果を披露。

彼女の伴奏に合わせ、生徒が合唱やピアニカの演奏をする。
「世界に一つだけの花」などの日本の曲を日本語で歌っちゃったりも。
本当にすごい。
泣けてくる。

はっぴを着て「ソーラン節」を踊る最高学年(7年生) 
ホントにブラボーだよ。生徒もコボリ嬢も。

生徒たちがお礼にと、ウガンダダンスを披露。
これは西部のトロ族のダンス。
寮のあるこの学校は遠方や他国(スーダンとか)からの生徒も多い。


会場は普段は5年生と6年生が二つに分けて使っている広い教室をぶちぬいて使用。

でも全校生徒入りきらないので、

窓にも生徒が鈴鳴り。


学校配属というのは、比較的、
過酷な活動環境のひとつだと思う。

他の先生たちと同様に学校の中の家に住むことになるし、
彼女の学校のように生徒の寮もある場合は、授業がおわっても生徒がいるわけで。
そんな中ではプライバシーの確保は難しい。
そもそもこの国ではそんな価値観は薄いし。

学校に指導のための楽器が少ないことはもちろん(ピアニカとかは皆で共用)、
教育に対する価値観や熱意の違い、
音楽をはじめとする情操教育に対する理解の少なさ、
子供に対するケイン(体罰)の存在など、
物理的にも精神的にも、多くの壁があったことだろう。

何故か体育を教えていたこともあった。
腑に落ち無かったろうに。
それでも笑いながら。
嫌になったことも、私たちが思っている以上にあったはずだ。


そうして2年間過ごしてきて、今日だ。
教室に入りきらないほど多くの生徒と先生が集まっている。
彼女に送られる言葉の全てに愛がある。
次々とプレゼントが彼女に手渡される。
皆が彼女を「家族」と呼ぶ。
笑いながら、泣きながら、彼女が去ることを惜しんでいる。

パーティーが終わったのに、子供たちが団子になって彼女のあとをついてくる。



音楽の指導を通して彼女が伝えたものは大きいだろう。

でも、何が影響や成果かなどと問うのはこの場では野暮だ。

彼女と彼女が音楽を伝えた子供たち。
互いが別れを惜しむその関係が彼女の2年間を物語っていた。



本当にお疲れ様。

6.18.2012

6月15日 午前―Welcome Royal


朝一番。
本日はウガンダ側からも要人が多数いらっしゃるということで、日本、ウガンダ両国の機関の職員さん方が最後の細部の確認やら調整でお忙しくされている中、

お出迎えの子供たちが到着。ウガンダ国旗を配られている。
あとで日本国旗も配る予定。


私といえばぎりぎりまでインフォメーションセンター手直し。


どうにか体裁整った・・・かな?


かくして(ここは真面目に)

***
同日午前、秋篠宮殿下および同妃殿下に、配属先を御訪問頂きました。


ウガンダと日本の国交樹立50周年を記念しての御訪問で、皇族の方が御公務でアフリカを訪れられるのは今回が初だそうです。
両殿下は日本が行っている国際支援活動の現場の御視察も今回のウガンダ訪問の大きな目的とされており、その流れで横浜市の動物園との交流事業やらボランティアが配置されているこちらをご訪問頂く運びとなり、ウガンダ人スタッフらによる説明に丁寧に耳を傾けておいででした。
もちろん、ウガンダの野性動物や自然について関心を寄せられているという点も大きく、敷地内ではウガンダの国鳥カンムリヅルなどを観察されました。
ほか、ご視察時の詳細は報道などで参照いただけると思いますが、そこに恐らく十分には映りこまないであろうほどに、配属先を含むウガンダ側のWelcomeぶりは本当に大きく、両殿下のご訪問に心から敬意と喜びを示していたことを申し添えておきたいと思います。
もちろん自分自身にとっては、両国の友好の場に立ち会う非常に得難い経験となりました。
***

(いつもの調子に戻って)少々、蛇足を。

国鳥カンムリヅル様の写真。
「ばびっと」男前な表情(あれ、♀かも・・・)のこの写真は最近活動で普及啓発用に作ったポストカードで使用しているもの。
(ほか、ハシビロコウ、チンパンジーなど10種類作成)

実は、ご訪問の日に先立ち12日、「弊社」在ウガンダ専門家及び隊員の一部は首都で両殿下への御接見がありました。
他のクラフト隊員に混じってポストカードの紹介も含め活動についてお話しさせて頂く機会に恵まれました。
直接コメントを頂けるとやはり嬉しく、励みになりました。


この時期に私が隊員としてここに存在した偶然に、素直に感謝。

6月14日 全部みせたい


諸事情による突貫メンテナンスもいよいよ佳境。


中には、明日までに終わるのかっていう作業もあり、ちょっと、ひやり。

で、メンテナンスには当然お金が必要なわけですが。
少なくとも展示や園内整備関係については、
今回の一件によりこれまで固かった?お財布問題が解決。
今までやりたくてもできなかったことを色々と進めるチャンスになった様子。




インフォメーションセンターの改修作業もそのひとつ。
とはいえ、
今回は急を要するので、アイザックが練っていた計画を若干変更して今できること優先=とりあえず持っている頭骨標本などを整列することに。
これはこれで必要なパートだったので別にいい。
変更分をどこに持って行くかはまた後で考えればいい。


数日で作成された台が運び込まれ、その上にどう標本を頭骨を並べるか皆で試行錯誤。
キャプション付けが私のメインの担当なので、全体の配置バランスが大体みえたところでデザインを始める。
時間は既に午後だ。




・・・その矢先、日本で標本作りを勉強してきた飼育員のカヨンド(ヘンリー)がやって来て、嬉しそうに言う。




「I brought  UNKO!」


・・・


の、標本ね。
(この手の単語って忘れないもんだよな・・・かなりの確率で。)




彼がコツコツ作り貯めている動物の糞の標本は処理も十分で非常にできがいい。
カヨンドがいそいそと並べ始める。
・・・のはいいんだけど、ちょっと明後日の場所に置き始めた。
あわてて標本コーナーに配置スペースを作る。
頭骨標本もある動物は一緒にセットで置くことにする。




糞標本の配置が落ち着いたかなと思ったら、カヨンド、






今度はダチョウの足と翼、ペリカンの翼の標本を持ってくる。










持ってるもの、知ってること、全部アピールしたいのがウガンダ人。


台にスペースがないので、柱にくくりつける。
翼は触ってもらってもいいように、子供の手が届く高さに調整する。


突貫作業とはいえ、
ハレの日1回の為ではなく、ちゃんと自分たちの構想していることに即して配置していきたい。
私らが明日、本当に見ていただきたいのは、見かけの整然さじゃなくて「どう改善しようとしてるか」だから。
(もちろんある程度見栄えを整えておくのも必要だけどね)






・・・まだまだ色々ネタを出したいカヨンド。
次に持ってきたものは




ニシキヘビの抜け殻 大
しかも、ややフレッシュ=乾ききっておらず臭気がある。




ウガンダ人女子たちからカヨンドに非難の集中砲火。


半閉鎖空間に流石にコレはまずい。
宥めて説得して今コレを置くのはあきらめてもらう。






時間、既に夕方。もう標本来ないよな。


ぼちぼちとキャプション設置作業中、
こんどはデイビットが2月のWetland Dayに作ったポスターを貼るべきだと主張中。
対する園長ジェームズ君、
「今回お客様にお話したい主題にフォーカスすべきだから何でも貼ればいいってもんじゃないだろう」
白壁の前で議論中。

(わたくしの心の声:どっちでもいーけど手がまわんないから貼るなら自分でやって~!)


心の声通じたのか、不慣れな手つきで補足の説明書きなどを作り出すデイビット。
すまん。今日は本当にムリ。



全部アピールしたいウガンダ人。
色々な部分で風呂敷をどんどん広げたがる。



それだけ、


諸事情=「明日ご訪問をいただく日本からの特別なお客様」へのWelcome度と期待値が高いってことだろう。




皆、最後の追い込みで残業する。
わたしもする。
停電しなくてよかった。

6.10.2012

6月8日 突貫作業で

うちのコウモリ掃討作戦が皮切だったわけではないのだが
諸事情により
ここんとこ敷地内のメンテナンスが急ピッチで進んでいる。

草刈りは当然、
フェンスにはペンキ塗り

壁には絵が描かれてみたり

何だかハシビロコウ小屋の入り口周りも整備され。

果ては普段一般人が出入りしない裏門の警備小屋周辺まで整備されている。


「見たか~!あちこち改善されてすごいだろう!」
園長のJames君(←多分年は私と同じくらい)、たいへんご機嫌で。

ホントだねえ。

でも、
一気にここまで動かせるなら普段からぼちぼちやってみてはどうだろうか。
(ま~彼は普段からやってほしいんだろうけどね)


一体何事かと言うと、
ちょっと大きな「イベント」があるのでそれで尻に火がついちゃっているというわけで。

「晴れの舞台」大好きウガンダ人、それでモチベーションあがるのは悪くはない。

ただ


急ごしらえのあまりに仕事が雑になるのだけが心配。



アイザックが担当してぼちぼち設置していた遊具も、イベントに間に合わせるため作業にマキが入った模様。

日本の動物園のデザインをまねて作っているやつ。
側面は動物の形になる予定。

彼曰く
「キリンにしたかったんだけど、大工に首が長すぎるから(作るのめんどくさくて)ダメって言われた・・・」

「ふうん。じゃあ、何にするの?」


「Donkey(=ロバ)!」

--;

・・・何故、家畜を選ぶ。


「せめてウガンダコーブにしないか?首短くて角も短いし」

提案したら、ああ悪くないかも、という顔で再び考え出すアイザック。
そういうところにこだわれよ。Wildlifeが看板なんだからさ。


まあ、こんな調子で進んでいます。

期日まででどこまで変わるかちょっと楽しみでもある。



最も、自分の担当分をやんないといけないので高みの見物でもない。
サボってないで自分もやらねば。

諸事情により
今回の「イベント」にはがっつり巻き込まれている。