9.15.2011

こわおもて

「助けてほしいんです。モニターリザードが怖くって・・・」

学芸員のジミーに訴えるそのニャボの面持ちは非常に深刻だった。
40歳くらいだろうか?首都カンパラ郊外に住んでいるが、仕事を休んでここに相談に来たという。

たまたま学芸員がうちのセクションのオフィスに来ていたので、そこで彼女の話を聞くことに。
成り行き上、居合わせたみんなでそのやりとりを聞く。

「毎日家に入ってくるし・・・」
「いや~でも、普通にそのへんにいるトカゲですし。
1匹レスキューしても、他にも・・・ねえ。
あれは臆病なトカゲで人を襲ったりはしないです。
心配しないで入ってきたら追い払って大丈夫ですよ。」
「でも毎日!もし噛まれたらと思うともう怖くて怖くて!」

害はまずないと説明しても怖いと思っている感情を打ち消すことは難しい。

たとえ実害がないとしても、
ヘビ・トカゲ系は見た目でもう苦手!という人はウガンダ人にもいる。
けっこういる。
苦手なものが自分の家にいるのはいやだという気持ちも確かにわかる。

が。

「・・・その・・・大きさは?」
30センチくらい。もう大きくて怖くて・・・」

それは・・・


小さいです。モニターリザードとしては。

とは直接言えないけれど。
正直なところ小物です。

彼女は1時間待ち、その後カンパラ方面へ行く飼育スタッフと車で一緒に帰って行った。
スタッフ的には車の中でもう少し話を聞きながら気持ちをだめ、現場を見たうえで追い払うなどの自助努力を説く方向らしい。
モニターリザードは本当に普通にあちこちにいるトカゲなので、1匹捕まえて移動させたところで多分きりがない。
彼女がうまく追い払えるようになるのが一番なのだけれど。
Good Luck.


さて、その大きさについて。
 
うちの園内をうろうろしているモニターリザードだと、
大きいのは1mちょっとある。

外見、こんなだ。

(トカゲだめな方ごめんなさい)
このレベルの大きさに達すると確かに迫力がある。


午前中、日が照ると日光浴をしに藪から出てくる。
泳ぎも上手。
でも本当に臆病で、人の気配を察すると猛スピードで逃げて隠れてしまう。
これは、たまたま飼育員が魚をモニターリザードにやっているところに遭遇し、魚に夢中になっている隙に撮影できたもの。
よほど魚が魅力的だったのか、複数人に囲まれているのに逃げなかった。

普段はカメラを向ける間もなく出会ったら最後、全速力で逃げられる。
・・・そんなに怖いか人間? (いや私がか?)

強面だけど何にもしないのにね。
お互い。